ヤフーは10月23日、2007年3月期の第2四半期連結決算を発表した席上で、現在株式を上場している東京証券取引所市場1部のほかに、ジャスダック市場にも重複上場する見通しを明らかにした。今年度中に実現できるように準備を進めている。
2006年3月末現在のヤフーの大株主は、筆頭が親会社のソフトバンクで議決権の所有割合は41.3%、第2位は米Yahooで同33.5%、両者合わせて74.8%ある。東証の上場廃止基準では、少数特定者持株数比率が75%を超えている場合、1年以内(猶予期間内)にこれが解消されないときは上場廃止になる。両者合計の比率はこの75%を超えてはいないが、両者はこの少数特定者に該当する。
そこで、これまでにも両者持ち株比率の合計が75%を超えているかどうかというのはたびたび懸念されてきた。ヤフーの取締役最高財務責任者の梶川朗氏は「9月末も(2者以外の)残りの上位株主はほとんど信託銀行などなので、少数特定者の基準からは外れるためまったく問題はないが、毎年3月末が近づくにつれて上場廃止基準に抵触するような話が出てくると、投資家の方は不安になると思う」というのが、今回の重複上場を検討する大きな背景のひとつだ。
同社はこれまで東証に対して、75%というルールが本当に正しいのかどうかという議論をしながらいろいろと働きかけてきたという。
また、これとは別に、2006年年初に起きた前代未聞である東京証券取引所の売買停止事件のように、「取引所の問題で取引に不具合があった場合でも、きちんと取引されるようでないとまずい」(梶川氏)といったことを、いろいろと検討してきたという。
そして、こうしたさまざまな問題を解決する1つの方法として「重複上場しておくことが正しい」(梶川氏)との結論に達した。梶川氏は「特に市場の取引の処理能力など(株式の取引)市場としてどこがいいかという議論はあるが、もともとジャスダックは上場していたこともあって、そういう意味では馴染みの深い市場といえる」と締めくくり、2006年度内に再びジャスダックに上場できるように手続きを進めている。
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