スパイスハム製品「Spam」の商標権を保有するHormel Foodsは、迷惑メールを指す言葉として使用される場合の「spam」について、欧州連合全体で通用する商標として登録しようとしたが、この試みは失敗に終わった。
Hormelは、「迷惑メールの回避、差し止めサービス」および「コンピュータソフトウェアの作成および保守、特にネットワークサービスを組み合わせた技術コンサルタント、(ジャンクメールに関する)専門知識や技術サービスおよび技術コンサルティングサービスの提供」に言及する際に使用される商標として「spam」を登録しようとした。
Hormelは、欧州連合の下部組織である欧州共同体商標意匠庁(OHIM)に対する訴えのなかで、一般には「spam」という言葉が連想させるのは、ジャンクメールに関してではなく、「スパイシーハムの一種」である食品だ、と述べている。
しかし、OHIMはHormelの主張に同意せず、訴えを退けた。その根拠としてOHIMは、スパム問題への対処を目的とした製品がIT専門家を対象にしており、彼らがジャンクメールと肉製品を混同するとは思えない点を挙げている。また、Googleで「spam」という言葉を検索した場合、ヒット数はHormelの缶詰肉に比べてジャンクメールのスパムの方が多いことから、「spam」が迷惑メールを指す言葉としても一般的に認知されているとOHIMは認識した。
「問題となっているサービスの利用者にとって、『spam』という言葉の最も明白な意味は、缶詰スパイシーハムの商品名ではなく、『膨大な数のアドレス宛てに承諾なしに送られる、通常は商用目的の迷惑メール』であることは間違いない」とOHIMは裁定で述べている。
Hormelは、これまでも何度か、同社の製品名である「Spam」という言葉が一般に使用されるのを阻止しようと試みてきた。2004年には広告キャンペーンを実施し、2005年には英国高裁で「Spambuster」という名称を無効にしようとしたが、その時も失敗に終わった。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。 海外CNET Networksの記事へ
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