2006年は、大幅な価格引き下げが3カ月も続いたことからPCの売上高がダメージを受けるが、出荷台数はホリデーシーズンに薄型テレビと競合しても横ばいを維持する、との見通しをアナリストが先週示した。
IDCとGartnerの両社は、2006年のPC市場に関する最新予想を公表した。両社の予想によると、2006年の成長予想は約10%と堅調だという。2006年は市場が機能や仕様よりも価格に対して敏感になっているため、価格低下によりPCの出荷台数が成長を続けていると、GartnerのアナリストGeorge Shiffler氏は語っている。
IntelとAMDは2006年、価格を大幅に引き下げた。これは、新しい「Core 2 Duo」チップ投入を前にIntelが旧型プロセッサの在庫一掃を目指したためで、AMDもそれに追従した。これらの価格引き下げは、小規模企業を中心に第2四半期の予想を上回る購買行動を喚起したが、市場は3年交換サイクルの終わりに差し掛かっていると、Shiffler氏は語る。
朗報なのは、市場が一部で懸念されたような悪化を見せていないことだと、IDCのアナリストBob O'Donnell氏は語っている。PCの出荷台数は、ノートPCが相変わらず原動力となっており、このカテゴリーの成長が依然として好調だ。また、米国や西欧などの先進諸国における成長は減速しつつあるものの、新興諸国ではPCの力強い成長が見られる、と同氏は語っている。
両アナリストによると、第4四半期で注目すべき要素の1つに、家電製品ベンダー各社の積極性があるという。2006年のホリデーシーズンは薄型テレビがヒット商品になる見通しで、第4四半期は購入動機となる新機能が登場する可能性も低いため、消費者は新しいPCよりもテレビの購入に向かうのではないかと、Shiffler氏は語っている。Microsoftは当初、Windows Vistaを2006年に用意しようとしたが、先ごろの延期発表により予定は2007年にずれ込んだ。
しかし、テレビを家庭で複数台所有するのと同じように、古いPCの買い替え時でなくても、2台目あるいは3台目のPCを購入するケースが主流ユーザーで増えている、とO'Donnell氏は語る。このような購入者の間では、ノートPCを中心にPCの出荷台数が成長する余地は十分にあると、同氏は語っている。
Gartnerの予想では、2006年のPCの出荷台数は10.5%増の2億3370万台に達するが、売上高は2.5%減少するという。IDCも出荷台数は10.5%増加の見通しで同じだが、合計台数は2億2970万台になるとの判断だ。成長ペースは消費者向けがビジネス向けを上回り、米国内より海外の方が力強い成長を遂げる、との点で両アナリストは一致している。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。 海外CNET Networksの記事へ
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