Hewlett-Packard(HP)が米国時間7月25日、管理ソフトウェアベンダーのMercury Interactiveを 1株当たり現金52ドルで買収することを発表した。買収総額は45億ドルに相当する。
HPの最高経営責任者(CEO)Mark Hurd氏は発表後に電話会議を行い「本買収により、HPは、自社のソフトウェアビジネスを業界で一目置かれる存在に育て上げられるようになると確信している」と述べた。
HPでは、データセンター向けのシステム/ネットワーク管理ソフトウェアである「OpenView」と、アプリケーションの開発を管理するためのMercuryの製品を組み合わせることを考えているようだ。HPでは、ここ1年間を通じて品質向上とソフトウェア製品の拡大に力を入れてきたと、Hurd氏は語っている。
多くのIT管理者が、サーバやストレージデバイスにおいて仮想化技術を用いるようになっている。こうした複雑なシステムを運用するには、先進的な管理ソフトウェアが必要であるとHurd氏は語っている。Mercuryの買収は、「管理ソフトウェア市場にERP(Enterprise Resource Planning)ライクな機能を持ち込む」という、HPがこれまで繰り返し述べてきた取り組みの一環として行われたものだ、と同氏は語っている。
Technology Business ResearchのアナリストChris Foster氏は電子メールで、Mercuryのソフトウェアを獲得することで、HPはIBMやCAなどのソフトウェアベンダーの大手に対する競争力を高めることができると述べている。同氏は、「Mercuryの買収はHPが掲げる3つの戦略のうちの1つに合致する。その戦略とは、『次世代データセンターの管理/整理』だ」と述べている。
HPとMercuryの両社によると、この買収が完了すればHPのソフトウェア事業は売上高年間20億ドル規模に拡大するという。Mercuryの現CEOであるTony Zingale氏は、2006年以降中期的なスパンでHPにとどまる意向を電話会議で明らかにした。Mercuryは、HPのソフトウェア担当シニアバイスプレジデントThomas Hogan氏の指揮下に入る。
カリフォルニア州マウンテンビューに本社のあるMercuryは、数年前より証券取引委員会(SEC)からさまざまな問題を指摘されてきた。ストックオプション付与の日付に問題があったとしてSECから名指しされた複数の技術系企業のなかにはMercuryも含まれていた。また、11月には元CEOのAmnon Landan氏を含むMercuryの3人の幹部が社内調査の結果を受け辞任している。
Hurd氏によると、HPはMercuryの現状を調査した上で結果に納得しているという。Hurd氏は、「(買収の可能性が)戦略上、財務上、そして業務上、理にかなうものかどうか調査した。今回の買収は、すべてにおいて理にかなうものだという結論に至った」と述べている。
HP株は時間外取引で4%近く(1.23ドル)値を下げて30.10ドルになった。Mercury株は2006年にNasdaqでの上場を廃止しており、同社株は店頭取引が行われている。Mercury株は、HPの発表が行われる前に39ドルで25日の取引を終えている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
地味ながら負荷の高い議事録作成作業に衝撃
使って納得「自動議事録作成マシン」の実力