ユタ州の米連邦地方裁判所は、SCO GroupがIBMに対して提起したLinux関連訴訟の数百件に及ぶ申し立てについて、IBMが行ったとされる侵害行為の多くを明確にしていないことを理由に却下した。
同裁判所のBrooke Wells判事は先週、SCOが2005年に提起した主張内容の範囲を絞り込むよう求めたIBMの主張を認める判決を下した。
SCOは2003年、IBMがLinux OSに提供したコードにはSCOが所有するUNIXのコードが含まれると主張し、IBMを相手取って最初の訴訟を起こした。IBMは、自社のLinux関連作業はSCOの著作権を侵害していないと考え、それら著作権の有効性にも疑問を呈した。
最新の判決は、OS開発に利用された「手法やコンセプト」に関する著作権をIBMが侵害したという個所について、SCOが具体的にそれらを明記する必要があるかどうかに言及している。
SCOの主張によると、著作権侵害を示すものは同社が裁判所に提出した手法やコンセプトの説明だけで十分だという。だがIBMは、SCOには具体的なコードに関する情報を提供する必要があるとして反論した。
Wells判事もこれに同意し、「SCOの主張は、SCOがIBMに対して『自分たちで既に分かるだろうから何が悪かったかは教えない』と言っているのも同然だ」と判決のなかで述べた。
SCOは声明のなかで、「今はわれわれの代理人が判決を見直しているところで、今後の手続きについては近いうちに決める」と述べた。同社にはまだ、UNIXから盗用された疑いがありながら今回の判断に含まれなかった具体的なコードに関する主張が複数ある。これらは、2007年2月に予定される裁判で議論される予定。
IBM関係者からコメントを得ることはできなかった。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。 海外CNET Networksの記事へ
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」