億万長者の投資家Warren Buffett氏は、300億ドル以上に相当する所有株式をBill and Melinda Gates Foundationに寄付する計画だ。
75歳のBuffett氏は、自ら経営する投資会社Berkshire HathawayのクラスB株1000万株をGates Foundationに寄付する予定だ。株式は毎年、残りの株数の5%ずつ寄付される。現在の株価をもとに計算すると、Buffett氏の寄付金の総額は300億ドル以上になる。
Buffett氏は、自身の3人の子供や彼らが運営する財団法人ではなくGates Foundationに、最終的に個人資産の85%を寄付することになる。
Buffett氏は米国時間6月26日に開かれた記者会見で、「(Gates Foundationへの寄付について)子供たちに話したら、彼らは大変喜んでくれた。彼らは相続財産に関する私の見解を理解し、共感してくれている」と述べ、さらに「私は、機会は平等であるべきだと考えている・・・彼らは私の子供だからという理由で、社会における私の地位を引き継ぐべきではない」と語った。
Gates氏の長年の友人であるBuffett氏によると、同氏はGates Foundationの存在と同財団の資金の運用実績を知り、自身の資産の大半を同財団に寄付することに決めたという。
「(Gates Foundationの)運用実績は素晴らしい」(Buffett氏)
Gates Foundationは、世界的な健康問題や教育分野に活動の重点を置いている。健康分野では、発展途上国の子供たちにワクチン接種を支援する「世界予防接種イニシアチブ(Global Alliance for Vaccines and Immunization:GAVI)などに寄付しており、また教育分野ではUnited Negro College Fund Gates Millennium Scholars Programなどに寄付している。
Gates氏は記者会見の中で、「われわれとWarren氏とは1991年からの知り合いだ。われわれは、富は社会に還元すべきだ、という同氏の意見を聞いて、自分たちの財団を設立しようと思い立った」と語った。
Buffett氏は、今後もGates Foundationの理事職に留まるが、同氏自身はBerkshire Hathawayで資産運用のプロとしての仕事に専念し、彼の寄付金の贈呈に関する事柄は他の人に任せたいとしている。
Buffett氏は、企業に投資する際は理解しやすい会社を選ぶという。しかし、慈善活動はその反対だと、同氏は指摘する。同氏によると、慈善活動を行うには、他者が解決しようとして失敗したと見られる複雑な問題を解決するために大きなリスクを取ろうという意欲が必要だという。
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