NASA、ハエを使って宇宙実験へ--無重力が人体に与える影響を調査

文:Amanda Termen(CNET News.com) 翻訳校正:河部恭紀(編集部)2006年06月22日 18時12分

 NASAが米国時間7月1日に打ち上げを予定しているスペースシャトル「Discovery」には、宇宙飛行士7名の他、100匹のショウジョウバエも一緒に搭乗する予定だ。これは、宇宙空間が宇宙飛行士の健康状態に与える影響に関する研究の一環である。

 宇宙空間での活動において、宇宙飛行士は1日中、微小重力状態の中で過ごすことになる。微小重力状態とはいっても、事実上、無重力状態と一緒で、無重力状態はさまざまな人体器官に影響を与える。例えば、免疫機能が一時的に低下するという現象が立証されている。そのため、宇宙空間では怪我の完治に通常よりも時間を要する。

 また、宇宙空間では特定のバクテリアが突然変異を起こし、強力となることもあるという。今回のフライトにように12日間のミッションではリスクが少ないとはいえ、調査する価値はあると、NASAの免疫能力を調査する新プロジェクトを統括するペイロードマネージャーであるCecilia Wigley氏は述べた。

 同氏は「最終的には火星に行くことを主眼に進路を見通している」と述べ、「フライトがますます長距離で長期間になれば、感染症から身を守るための能力は、宇宙飛行士の健康にとって非常に重要になる」と語った。

 宇宙空間における健康に関するリスクの解明を期待して、NASAの研究者達は、実験フライトで使う数百匹のショウジョウバエの準備に追われている。ショウジョウバエは人間と似た免疫反応機能を持っており、さらに飼育に必要なスペースも食物も少なくてすむので、宇宙空間での実験に適しているという。

この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。 海外CNET Networksの記事へ

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