家事雑用や、スケジュール管理、犬の散歩などができるWindows仕様のロボットがいる世界を想像してみてほしい。
Microsoftがロボット工学に足を踏み入れた今、それは現実となるかもしれない。長い間SFに委ねられていたこの分野は、近年ますます活気を帯びてきている。
Microsoftは米国時間6月20日、新研究グループへの投資と、同社初のロボット工学ソフトウェアを発表した。この技術は「Microsoft Robotics Studio」と呼ばれるWindowsベースのツールキットで、企業および個人の開発者が一連の製品のためにインテリジェントアプリケーションを作成できる設計となっている。同ソフトはダウンロードによる一般プレビューが可能となっている。
「人々がロボット工学アプリケーション(の作成)に乗り出すのを助ける基本的な作業基盤を提供し、第三者がそのハードウェアやソフトウェアを持ち込み、皆と共有できるようになることを望んでいる」とMicrosoft Robotics Groupのジェネラルマネージャーを務めるTandy Trower氏は述べている。
Microsoftはまた、ロボット工学の草分け的存在であるカーネギーメロン大学(CMU)に附属する研究所「Center for Innovative Robotics」へ資金を拠出する予定である。同研究所とMicrosoftの研究グループに割り当てられた資金の額は明らかにされていない。
Microsoftの重要性と資金力をもってすれば、ロボット工学の分野も見通しが明るくなりそうだと、専門家らは言う。長い間SFファンタジーとしか見られなかったロボット工学も、近年はコンピュータ化された床掃除機「 iRobot」などの装置を通して進歩をみせている。しかしIntelなどの大手企業が過去に何度かみせたロボット工学における試みは、次第に消え失せてしまっている。
学術界においては、顕著な進歩がみられている。例えばCMUは、製造および採鉱を高度化するための人口知能技術を開発した。スタンフォード大学は2005年秋に、 国防総省国防高等研究事務局(DARPA)が主催する史上初の無人自動車レースにおいて勝利を収めている。この自動車は、モハーベ砂漠で131マイル(約210km)を6時間強で横断した。
「ロボット工学業界はちょうど1970年代後半のPC業界のようだ。どのアプリケーションがこの分野を切り開くカギとなるのかを知るのは難しい」とTrower氏は言う。
同氏はそう言いながらも、お年寄りに薬を飲む時間を知らせる「リモートプレゼンス」と呼ばれる小型ロボット製品といったいくつかの可能性を示した。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。 海外CNET Networksの記事へ
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