米軍コンピュータへの不正アクセスで起訴されているGary McKinnon被告が、米国での訴訟を避けるための重大な戦いに敗れた。英国の判事が同被告の米国への身柄引き渡しを命じたのである。
英国Bow Streetの下級判事裁判所のNicholas Evans判事は、現地時間5月10日朝、McKinnon被告は米国の法廷に出廷しなければならないという裁定を下した。
ロンドン在住のMcKinnon被告は、NASAを含む米政府機関のコンピュータ53台に不正アクセスし、70万ドル相当の損害を与えた容疑に問われている。
Evans判事は、McKinnon被告は米国では公正な裁判を受けられない、また同被告がテロリストとして扱われる可能性がある、とする弁護側の主張を退けた。
同判事は、両国の間には犯罪者の身柄引き渡し協定が150年間にわたり敷かれてきたことに言及し「McKinnon被告が公正な扱いを受けないという心配はないように思われる」と述べた。
McKinnon被告は、5月17日の米国移送に備えるよう命じられた。しかし、同被告が上訴する可能性もある。
McKinnon被告が裁判のため米国に送還されるかどうかの最終判断は、英国内務大臣のJohn Reid氏が下すことになっている。
McKinnon被告は、米政府機関のネットワークにアクセスしたことは認めたが、損害を与えたことに関しては否認している。同被告は、UFOの証拠や、機密性の高い軍事技術を探していた、そしてそれを見つけたと主張している。
また、同被告は法廷外で、自分の未来に希望は抱いていないと語った。
「(同被告の裁判が行われる)バージニア州は保守的なことで有名な州だ。既に首をくくられ四つ裂きにされたも同然だ」(同被告)
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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