カリフォルニア州クパチーノ発--Apple Computerの最高経営責任者(CEO)、Steve Jobs氏は、米国時間27日に開かれた同社の年次株主総会で、自社の環境対策に対する批判に応える一方、Macの市場シェアやIntelチップへの移行といった話題にも時間を割いた。
当地にあるApple本社で開かれた今年の株主総会では、3つの提案が議決された。そのなかで、Appleの取締役会メンバーの再任と、監査役であるKMPGの契約延長の提案が、予備投票の結果可決された。
しかし、Appleにリサイクルの数値目標設定を義務づける株主提案は否決となった。最終投票結果は、Appleが米証券取引委員会(SEC)に10-Q報告書(四半期報告書)を申請する際に発表されることになっている。
Jobs氏によると、中古コンピュータの再生に関して、Appleは現在、再生台数と売上数との比率でHewlett-Packard(HP)とDellの中間に位置しているという。
「HPをやや上回っているが、Dellにはやや及ばない」(Jobs氏)
Apple本社周辺に反対者が集まり、同社のリサイクル活動を非難するデモが行われた昨年と比べ、今年の株主総会でははるかに和やかなリサイクル議論が繰り広げられた。しかし、Jobs氏はAppleの環境対策に対する評価が低いことを強い言葉で非難した。
実際には、Appleは先ごろコンピュータの無償引き取りプログラムを発表している。このプログラムは、新しいMacintoshの購入時に、古いMacもしくはPCをAppleストアへの持ち込みか郵送で下取りに出せるというもの。同社は現在、各拠点では無償下取りを行っているが、リサイクルサービスのほうは有料となっている。ただし、こちらも6月からは無償プログラムが開始される。
しかし、それでもJobs氏には、リサイクルプログラムの数値目標を求める質問が投資家から相次いだ。同氏は目標を示すことはせず、代わりに同社が有害なCRTモニタを製品ラインアップからほぼ全面的に排除した点を指摘した。CRTを搭載するMacは、現在eMacだけだ。同氏は、ほかのPCベンダー各社は相変わらず大きな環境破壊につながるCRTモニタを販売しているかもしれないが、「来年になれば、Appleにはこれが1台もなくなるかもしれない」と語った。
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