Rambusが韓国のHynix Semiconductorに対して起こした特許権侵害訴訟で、裁判所はHynixに対し、賠償金3億650万ドルをRambusに支払うよう命じた。
同裁判の陪審は、米国時間4月24日にカリフォルニア州サンノゼの地方裁判所で発表した評決の中で、HynixがRambusの保有する10件の特許を侵害したと認定した。Rambusによると、この賠償金にはHynixが2000年6月から2005年末にかけて米国内で行った販売に関する賠償金も含まれているという。またHynixは、評決で認定された賠償金額に対する利子も支払わなくてはならない。
この評決は、すでに特許権訴訟に過敏になっているPC業界を震え上がらせることになるだろう。またこの評決により、同様の特許権侵害訴訟の和解が促進される可能性が高い。
メモリ設計会社のRambusは、Hynixをはじめとする大手メモリメーカーが、DDR DRAM、SDRAM、DDR2 DRAMを生産する際に同社が保有する特許を侵害したと訴えた。DDR DRAMは、今日のPCに使用されている最も一般的なメモリだ。過去何年間に製造されたPCやサーバの大半に、これら3種類のいずれかのメモリが使用されており、向こう数年以内に、DDRの改良型がPCに搭載されるようになると見られている。
シリコンバレーの特許権の専門家であるRichard Belgard氏は、「今回の評決をきっかけに、和解や提訴が増えることは間違いない」と語る。
2006年の夏に始まるこの裁判の次の局面では、RambusはHynixによるDDR、DDR2、SDRAMの販売差し止めを求める意向だ。このような場合、被告は差し止めを回避するため、ライセンス料という名目で原告に支払う金額を増額することに合意するケースが多い。
Rambusは、高速データ転送用メモリなどのコンポーネントやインターフェースの設計を専門としている。陪審は、Rambusが行った特許権に関する主張を全面的に支持した。
一部のメモリメーカーは、Rambusが特許権を不正に取得したと主張してきたが、今のところその主張が裁判で認められた例はない。ドイツの半導体企業のInfineon TechnologiesはRambusに対する訴訟の一審で勝訴したが、控訴審では判決内容が大幅に覆された。Infineonは最終的に、Rambusに対し2年間におよそ4600万ドルを支払うことで和解した。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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