英国の10代の少年が元雇い主にDoS(サービス拒否)攻撃をしかけたとして起訴された裁判で、同被告に対し無罪判決が下された。この判決は、被告が起訴される根拠となった英国のコンピュータ不正使用法(Computer Misuse Act:CMA)にとって大きな打撃となりそうだ。
ロンドンのウィンブルドン下級裁判所のKenneth Grant地裁判事は現地時間2日、少年の行為が起訴の根拠となったCMAに反していないとの判決を下した。同被告(法律上の理由から氏名は公表できない)は、元雇い主に500万通の電子メールを送りつけ、元勤務先の会社のメールサーバをクラッシュさせた罪で起訴された。
まだ検察側が控訴する可能性は残されているものの、少年は無罪判決の知らせに安堵の表情を浮かべた。少年はZDNet UKのインタビューに応え、「大変うれしい。(裁判は)2年間も続いたが、これで裁判の悩みから完全に解放された」と心境を語った。
1990年に導入されたCMAは、DoS攻撃を犯罪行為として明確に規定しておらず、英国議会の一部の議員はこの点の改正を望んでいる。しかし、同法はコンピュータマテリアルへの「不正アクセス」および「不正な修正」を明確に禁じている。少年が起訴された際に法的根拠となった同法第3条には、不正なデータ修正およびシステムの改ざんについて規定されている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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