100年前に壊滅的被害をもたらしたサンフランシスコ大地震の再現モデルを手がかりに、科学者たちは次にサンフランシスコ湾岸地域で地震が起きたとき、地表がどのような振る舞いを見せるかを解き明かそうとしている。
1906年に起きたサンフランシスコ大地震100周年を記念する会議を数週間後に控えて、米国地質調査局(United States Geological Survey:USGS)とスタンフォード大学の科学者たちは、100年前にサンフランシスコ湾岸地域を揺るがした地震の3Dシミュレーションから得られたデータを公開した。このデータやコンピュータシミュレーションが、今度は次の地震に備えて地質学者や土木技術者などが対策を検討するのに役立つはずだ。
スタンフォード大学の地球物理学教授Greg Beroza氏によると、1906年の地震の規模はマグニチュード7.8から7.9と推定され、サンアンドレアス断層沿いの地域をメンドシーノ岬に至る300マイル(約480km)にわたって揺さぶったという。地震の規模をマグニチュードで表わすリヒタースケールが考案されたのは1935年のことで、それより前の1906年に起きた地震の規模を推定するのは容易ではなかった。1906年の地震で、地面は水平方向に2フィート(約61cm)もずれた。震源の深さは約10マイル(約16km)だったが、地震発生のわずか3秒後には地表が揺れ始めた。震源から最初に到達した波の速度は1万4000マイル/時(約6.3km/秒)、遅れて到達した波の速度は8000マイル/時(約3.6km/秒)だった。
Beroza氏は「実に巨大な地震だった」と述べ、次に大地震が起これば、「1906年に大きな被害を受けたサンアンドレアス断層沿いの地域は、再び大きな被害に見舞われるだろう」との見方を示した。
地質学者は、今回の研究に利用したような3Dモデルを使って、地域の地震動予測地図をより正確なものにしようとしている。USGSのシニアリサーチサイエンティストMary Lou Zoback氏は、「どこで揺れが大きくなるかを予測できるため、救援活動をそうした地点に集中させられるようになる」と語る。山の間近にあるカリフォルニア州サンタクルーズや、サンフランシスコの埋立地の上に築かれた地域は、サンアンドレアス断層で地震が起きたら特に大きな被害を被るだろう。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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