ユタ州の環境保護論者、カリフォルニア州の数学の奇才、メリーランド州の遺伝学者志望の学生の共通点は何か。
彼らが3人とも大学進学適性試験(SAT)で高得点をマークしたことは確かだが、彼らは2006年のIntel Science Talent Search(STS)コンテンストの受賞者でもある。STSは、科学の分野で秀逸な研究を行った高校の最上級生を表彰する毎年恒例の権威あるコンテストだ。受賞者には、総額53万ドルの奨学金が送られる。過去の受賞者からは、ノーベル賞受賞者が6人、卓越した実績をあげた若手数学者に送られるフィールズ賞の受賞者が2人、マッカーサー財団の奨励金の受領者が数名生まれた。マイクロプロセッサの共同発明者の1人であるMarcian "Ted" HoffもSTSの受賞者だ。
米国時間3月14日に開催されたコンテストでは、ユタ州ハイランド在住のShannon Babb(18歳)が、自宅近くの7つの川に影響を及ぼしている汚染に関する調査と改善方法の研究で、見事優勝し、10万ドルの奨学金を手にした。
洞窟探検の熱狂的な愛好者で、通学先のAmerican Fork高校ではクラスでトップの成績を収めているBabbは、半年間Spanish Fork Riverとその支流の水のサンプルを採取し、それらの化学成分や物理組成を測定すると共に、病原性大腸菌のテストを行った。その結果、調査期間中のある時点で、7カ所全ての値がユタ州の冷水漁場のガイドラインに規定された基準値を越えており、その主な原因が人的汚染であることが分かった。
ユタ州初のIntel STS受賞者となったBabbによると、現在彼女は州の水質審議会と協力して水質汚染問題の解決に取り組んでいるという。Babbは、排水システムを再構築し、家庭用化学品を排水管に流さないよう市民を教育することによってこれらの問題は解決可能と考えている。
BabbはCNET News.comとのインタビューの中で、「このようなプロジェクトへの政府からの財政支援は多くない」と語った。
STSは、1942年にWestinghouseによって第1回が開催された。同コンテストは米国で最も歴史が古く、また一般に最も権威がある全国規模の高校生を対象とした科学コンテストだ。1988年にIntelが、科学教育を促進する取り組みの一貫として同コンテストを受け継いだ。同社はこの取り組みに毎年1億ドルの資金を拠出している。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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