サンディエゴ発--感覚が麻痺するほど目新しい機器が溢れかえる今日、消費者の耳目をひき、関心を維持することは、企業にとってかつてないほど重要になっている。
当地でO'Reillyが主催している「Emerging Technology Conference(ETech)」はこうしたテーマの下で開かれており、アテンション(注目)というキーワードに対する注目が高まっている。同カンファレンスには、アメリカの消費者のアテンションを薄れさせている小型機器を販売する業界の企業幹部が集い、情報が氾濫する時代をいかに切り抜けるかについて議論している。
米国時間3月7日に登壇した講演者らは、同カンファレンスが「アテンションエコノミー(Attention Economy)」と呼ぶ論題をめぐって、インターネット企業幹部や技術者は消費者の注目を集めるために今何をなすべきか特定せよと、繰り返し説いた。また、技術企業の幹部は、刺激過多状態に陥っている消費者に関する、学術研究のような詳細な考察や新たなビジネスアプローチを発表した。カンファレンス自身は、参加者の集中力が長くは続かないことを顧慮しているようで、大半のプレゼンテーションは、テレビのシットコムより7分近くも短い15分を超えることはなかった。
テクノロジー業界は、人々が煩っている注意力欠如障害(Attention Deficit Disorder)にも新たな名前を付けた。彼らが「継続的注意力断片化(Continuous Partial Attention)」と呼ぶこうした症状は、デジタル時代における仕事の並行処理と生産性の向上に対する必要性に即応するために消費者が取っている、適応行動パターンであると言える。だが、Microsoftの元バイスプレジデントで、Microsoft ResearchのVirtual Worlds Groupを設立したLinda Stone氏は、こうした傾向が危機感を人工的に生み出していると指摘する。
Stone氏は「注意力:ほんとうの媚薬(Attention: the Real Aphrodisiac)」と題したプレゼンテーションの中で、「これは、過去20年間にわたって作り上げられた高度な芸術だ。ときにわれわれを助け、ときに困らせるものである」と、詰めかけた聴衆に向かって話した。
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