シリコンバレーの老舗であるBorland Softwareに再び変化を遂げる時がきた。
Borlandは米国時間2月7日、テストツール開発企業Segue Softwareを1億ドルで買収するとともに、高い評価とは逆に利益率の低かった開発ツール事業を売却する予定であることを明らかにした。
Borland幹部は、今回の買収と売却の理由について、同社が取り組む軌道修正作業を促進するためだと説明した。これまでBorlandは、単発的にしか利用されない開発ツールをプログラマ向けに販売するより、大規模スイート商品を企業の技術担当幹部向けに販売することを考えてきた。
Burton GroupのアナリストであるAnne Thomas Manesは、「Borlandが、これだけの長い間、これだけの規模を企業として維持してきたことは驚きだ。現在では、統合開発環境(IDE)は使われない傾向にある。そのため、IDEツール開発企業として生き残るのは容易ではない」と述べる。
事実、Borlandが8日に発表した第4四半期決算によると、売上額は14%減少し、損失額は960万ドルに達した。同社はこれまで、「JBuilder」「Delphi」「C# Builder」などを販売してきた。そのようなソフトウェア開発における歴史を誇り、プログラマに強く支援されてきた同社が、開発ツール事業から手を引くことは、きわめて大きく、しかもリスクが伴う路線変更であることは確かだ。
もちろん、Borlandは、その22年の歴史の中で、競合他社や顧客の変化する要望に合わせて大きく方向転換をしたのは、今回が初めてではない。
今日、Borlandがこれまで携わってきた事業は、オープンソースによる侵食が激しい。過去2年間、Eclipseソフトウェアを筆頭に、無料で手に入るオープンソースIDEの人気が高まり、スタンドアロンツール市場は崩壊したと多くのアナリストが指摘している。
ここ3年間、Borlandは、特化されたツールベンダーを数多く買収し、同社製品をアプリケーションライフサイクル管理用ツールと位置づけるようになっていた。これらのスイート製品は、大規模なソフトウェア開発企業に対して、アプリケーションの要件収集やモデリング、そしてテストなど、開発プロセスのさまざまな段階に応じてカスタマイズできるツールを提供する。
マサチューセッツ州レキシントンに本拠地を置くSegue Softwareは、アプリケーションが製造段階に入る前後で性能をテストしたり、バグを発見したりする製品を開発している。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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