年末特集:2005年にもっとも検索された企業、製品、テクノロジー

西田隆一(編集部)2005年12月30日 16時24分

 2005年も残すところあと2日となった。毎日さまざまなランキングをお送りしているが、今日はCNET Japanユーザーがどんな検索キーワードでCNET Japan内を検索しているかをランキングとして集計したものをお届けしたい。

 CNET Japanには上部右側に検索ボックスを設けている。ここにキーワードを入れるとサイト内のすべての記事(CNET Japan Blogは除く)を検索することができる。

 検索はユーザーが能動的に調べるために使う機能だと位置づけているので、検索に使われたキーワードは、本当にユーザーが興味を持っていることを表しているのかもしれない。ただ、キーワードとしてい使われているものがあまりにも範囲が広くトレンドがつかみづらいので、今回は「企業名」と「製品・サービス・テクノロジー」に分けて集計してみた。

 まずは企業名から。意外と言っては失礼だろうか、サムスンがトップの座に輝いている。ただ、サムスンは家電や携帯電話、PC関連製品に半導体とさまざまな分野で快進撃を続けている。それを考えると、日本のメーカーなどが常にウォッチしていてもおかしくない。

 とはいえ、サムスンが他の企業を押しのけてまで大きな話題となったニュースというのは2005年には記憶にない。個人的には、このNAND型フラッシュメモリが、後のiPod nanoの狂騒につながったのが興味深い。サムスン製の4GBのフラッシュメモリを積んでいるiPod nanoは、それまでのフラッシュメモリのメモリ単価からすると非常に低価格で登場しているからだ。

 さて、続いてみていくと、2位はアップル。アップルについてはもう語るべきことはないだろう。ただ、アップルファンはくまなくサイトをチェックしている傾向は伺える。

 3位はIBMだが、やはり企業向けIT関連の話題についてはこの会社の動向を抜きにしては語れないということだろう。IBMに関するニュースは今年も毎週のように掲載されている。2004年末にはPC関連事業をレノボに売却する発表をして、2005年半ばに売却を完了している。逆に買収なども精力的に行っているが、来年にはまた大きなニュースを提供してくれるのだろうか?

 そして4位はグーグル。グーグルは2004年のIPOの実りが今年にやってきたという印象が強い。とにかく、矢継ぎ早にサービスが開始されて、キャッチアップしていくのも大変になってきている。この急速な動きは来年以降も続くだろう。

 5位はまだ低迷が続くソニー。ハワード・ストリンガーCEO就任は世間の話題をさらったが、その後、9月に発表された中期経営計画で1万人の人員削減なども盛り込まれたが、ソニーはこれからどうかわるのだろうか。

2005年によく検索された企業名
1 サムスン
2 アップル
3 IBM
4 グーグル
5 ソニー
6 マイクロソフト
7 ヤフー
8 HP
9 インテル
10 デル

 6位はマイクロソフトだが、意外にもこの順位。ただ、マイクロソフトの場合には、WindowsやMSNなどのブランドでの検索も多かったので、その中でのこの順位は非常に高いといえるだろう。とにかく話題の多い会社でもある。7位はヤフーだが、米国の状況もそうだが、日本国内の情報にも多く注目が集まっていた(検索キーワード「ヤフー」には、ヤフージャパンなども含んでいる)。そして、8位はフィオリーナ体制からマーク・ハード体制に変わった新生HP、9位はAMDとの係争が続くインテル、そして10位にデルと続く。

 トップ10圏外だが、富士通、サン・マイクロシステムズ、東芝、オラクル、NEC、AMD、ノキア、アマゾン、ソフトバンク、日立、楽天、ライブドアなどがほかにもよく検索されている企業名だった。

 やはり、突然話題になるベンチャー企業よりも、主要なIT企業が上位にくる傾向になっているようだ。やはり日頃からウォッチしておかなければならない企業というのは、大手IT企業の動向ということなのだろう。

 さて、次に製品・サービス・テクノロジーのトップ10を見てみよう。

 なんと1位は当然と言うべきか、意外にもというべきか次期Windowsのコードネーム「Longhorn」がその座を奪った。正式名称はWindows Vistaとなったが、Windows Vistaでの検索は少ない。この製品の登場は2006年末には間に合うと言われているが、それよりも前にその実態をつかみたいというユーザーが多いということだろう。

 2位は今年はiPod shuffle、iPod nano、ビデオiPodなど新製品が目白押しだった「iPod」。当然といえば、当然か。そして続く3位もアップル製品の「Mac」。Mac mini が登場して、CPUをインテル製に変えると発表して、新型iMacも出ていてこちらも話題が多かった。にしても、アップル関連は強い。アップルファンは勉強熱心だということだろうか。

 4位はいまや一般的なインフラと化したという感もあるLinux。オープンソース化の波で、もはやウォッチするのは必要不可欠となったプラットフォームとなったからこの順位なのだろう。

 ニュースのソース自体はあまり多くはなかったのだが、活用事例などを探しているのだろうか、5位にはRFIDが入った。6位はWindowsだが、LonghornといいWindowsといいマイクロソフト関連の話題はやはり根強い人気を誇る。

2005年によく検索された製品・サービス・テクノロジー
1 Longhorn
2 iPod
3 Mac
4 Linux
5 RFID
6 Windows
7 RSS
8 ブログ
9 DVD
10 HDD

 いまの世相を反映しているのが7 位〜9位にあがった3つのキーワード。7位のRSSはいまもっとも注目されるテクノロジーの1つだ。急速に広がるRSSの利用で、広告やフィードビジネスなど生まれている。今年をにぎわせた話題の1つだった。8位のブログはもはや説明不要だろう。だが、実際にはブログに関する大きなニュースはなかったように思う。9位のDVDは次世代DVDの動向に注目が集まっているために、このキーワードの順位を押し上げたのだろう。一時は統合の話題も出たBlue-rayとHD DVDだが、結局は破談に終わっている。Blue-ray有利という声も聞こえるが、HD DVDにはマイクロソフトとインテルという強力な味方がついた。両者の行く末は来年に持ち越された。

 10位は、「なぜ?」という声も聞こえてきそうだがHDDとなった。ハードディスクを組み込む製品を作るメーカーからのアクセスなのか、理由はわからなかった。圏外には、PSPやWinny、iTunes、Firefoxなどのパーソナル向けのツールや、セキュリティ関連のキーワードが多かった。

 やはり、製品・サービス・テクノロジーについては、世相を反映するものが多い。今年話題になっているものも、来年には当たり前のものになっている可能性もある。2006年はWindows Vistaやゲーム機など大型の話題の製品が登場するのがわかっているが、それを超える製品やテクノロジーが登場するのだろうか--。

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