汗まみれの手はダンスのパートナーには不評かもしれない。だが、将来それがハッカーから銀行口座を守ってくれる可能性がある。
クラークソン大学の研究者らが、粘土やゼラチンを使って隆起を加えた指紋の画像や、歯科用プラスタで成形した指のモデルを使って、指紋読み取り装置をごまかせることを発見した。同グループは、死体の手から切り取った指まで集めていた。
慎重に作成したサンプルを60以上使った体系的テストを実施した結果、研究者らは偽物の90%が本物として認証されることを発見した。
しかし、研究者らが発汗の形跡をスキャンするアルゴリズムを使って読み取り装置を強化すると、誤認識率は10%に低下した。
汗にはモデリングの可能なパターンがあることから、汗の利用はハッカー阻止の手段として有望視されている。生きている人間の指では、毛穴周辺から発汗し、これが隆起に沿って広がり、識別可能な特徴が残る。Stephanie Schuckers(クラークソン大学電子コンピュータエンジニアリング助教授)が作り出したこのアルゴリズムは、指紋のイメージを読み取る際に発汗パターンを検知し、その詳細を明らかにする。
死体の指は発汗しないので、これなら大丈夫だ。
Schuckersは、「生体認識は、生命兆候として生理活動を認識することが基本になっている。そこでわわれは、生きている人間の指紋のイメージには発汗に起因する特定の湿度変化パターンがあるが、死体や偽物の指紋にはそれがない、との仮説を立てた」と声明のなかで述べている。
なお、この調査はNSA(米国家安全保障局)から310万ドルの補助金を受け、ほかの大学と共同で進められたもので、バイオメトリクス認証/識別技術の向上を目指して続けられている研究の一環だ。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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