メディア大手Time Warnerの子会社として何年もさえない日々をおくってきたAmerica Online(AOL)だが、ここにきて突然、インターネット関連のあらゆる有力企業がパートナーになりたがる人気企業となったようだ。
GoogleとComcastはTime Warnerの子会社AOLの少数株式の購入に向けて真剣な話し合いを行っていると、この件に詳しい情報筋が明かした。AOLのISP事業は対象としていない今回の話し合いは、初期段階にあり、成立しない可能性も残している。
とはいえこれが、既報のMicrosoftによるAOL合弁申し入れに対抗するための戦略的対案であることは確かだ。MicrosoftとAOLの統合は、2つの巨大インターネットポータルが合体し、ウェブ上に最大のトラフィックを誇るサイトが誕生する可能性を意味する。
本当にそれが実現可能かどうかはともかく、AOLの将来に関しては、火の気がなくても煙が立つというのが真実だ。
Time WarnerのRichard Parsons最高経営責任者(CEO)は、いかなる話し合いについても否定した。同氏は最近、AOLにはTime Warnerの未来が掛かっていると語った。一方で、投資家たちの間では、1090億ドルが動いたTimes WarnerとAOLの合併は莫大な金の浪費だったとする意見が、長い間くすぶっている。
現在、AOLは重要な局面を迎えているようだ。同社はインターネットサービスとアクセスが会員に限定されるポータルを提供する会社から、ネット広告ブームを利用して利益を上げるオープンなオンラインメディア企業へと変身しようとしている。この変身は、AOLにとって、必要に迫られての選択だ。ダイアルアップインターネット接続の利用者比率が減少しているからだ。
正しいパートナーを選択すれば、AOLの未来は明るいだろう。Times Warnerの子会社であり続ける場合でも、別の企業にまるごと買い取られる場合でもだ。
ではなぜ、複数の企業が過去の強力企業AOLに関心を示しているのだろうか。
Googleの申し入れは、単体で最大の収入源であるAOLをMicrosoftから守るためのものだ。AOLはGoogleの最大のパートナーで、Googleの広告収入のうち約12%は米国内外のAOL Searchに提供している広告付きの検索結果リストからくる。1カ月以上前から噂されているように、MicrosoftとAOLが合弁企業を設立したら、この収入が危険にさらされる。
その場合、MicrosoftはAOLへの検索広告プロバイダーとしてのGoogleを締め出しにかかる可能性があり、Googleは約2億9000万ドルの価値の契約を失うことになる。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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