Advanced Micro Devices(AMD)は今週、ライバル企業のIntelに対する独占禁止法訴訟の一環として、15社以上の企業に召喚状を送付したことを米国時間6日に明らかにした。
Intelに対する訴訟で証拠となる情報が欲しいAMDは、複数のコンピュータメーカーと、12社の再販業者/小売業者に召喚状を送付した。その中には今までAMDから召喚を受けていなかった企業も3社含まれている。
AMDは、Intelがマイクロプロセッサ市場を独占し、メーカーへのディスカウントや強引な手法によって市場からAMDを締め出したとして、6月に同社を提訴した。これに対しIntelは、同社が市場で優位に立っているのは、同社が研究開発や製造に資金を投資してきた結果だとして、AMDの主張を否定している。
AMDの広報担当のMichael Silvermanによると、今回の召喚はあくまで証拠を引き出すことが目的であり、召喚した企業を提訴する考えはないという。
Silvermanは、「AMDはこれらの第三者企業をIntelの不正行為の犠牲者と考えている。したがって、なるべくそれらの企業に負担にならない方法でこれらの(証拠)文書を入手したいと考えている」と述べた上で、召喚状を送付した多くの企業には、すでに(Intelに関する)質問を行う旨を通知したと語った。
今週、AMDから証拠文書の作成を要請された企業は、Dell、Hewlett-Packard、IBM、Lenovo Group、Gateway、Sun Microsystems、NEC、富士通の複数の部門、さらに小売業者のCircuit CityとBest Buyだ。これらの企業の多くはすでに、Intelとの通信内容を公表せず伏せておくことに、AMDと合意している。
Silvermanは、召喚リストに、カリフォルニア州ミルピタスに拠点を置くAppro Internationalと、デラウェア州ウィルミントンに拠点を置くMPC ComputersとEgeneraの3社を新たに追加したことを明らかにしたが、3社を追加した特別な理由は挙げなかった。
今回の訴訟を担当するデラウェア地方裁判所のJoseph J. Farnan Jr.判事はAMDとIntelに対し、今回の訴訟に関連する情報の交換を6日までに行うよう要求したが、両社の弁護団は証拠の交換を延期することで合意した。
Silvermanは延期の理由について、双方とも大量の文書から必要な書類を取捨選択しなくてはならないためと説明した。
Intelの広報担当のChuck Mulloyによると、同氏はデラウェアの同社弁護団から証拠の交換をいつに変更するのかについて何の連絡も受けていないという。
この訴訟に詳しい情報筋によると、審理が行われるのは早くても2007年以降になりそうだという。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス