ソニーは9月16日、「全額出資子会社で金融事業を統括するソニーフィナンシャルホールディングスを段階的に売却する検討に入り、エレクトロニクスと娯楽に集中する」とした日本経済新聞朝刊の1面トップ記事について、「金融事業を売却する計画は誤りだ」と遺憾の意を表した。
ソニーは、「金融事業の持株会社であるソニーフィナンシャルホールディングス(SFH)を2004年4月に設立し、その際に将来的な同社の株式上場の計画を表明したが、現在もこの考え方に変更はない。また、上場後の同社株式売却の計画も一切ない」としている。
さらに、「記事中にスカイパーフェクト・コミュニケーションズの株式売却の可能性についても言及があるが、これについても現時点では一切考えてない」という。
いずれにせよ、ソニーは9月22日に「2005年度ソニーグループ経営方針説明会」を開催し、新経営体制によるソニーグループ全体の今後の戦略や方針が明らかにされるので、金融事業のみならず具体的な施策がはっきりするだろう。
一方、ソニーはマネックス・ビーンズ・ホールディングス(MBH)の保有株式から20万株を売却することで合意している(関連記事)。この売却によりMBHはソニーの持分法適用会社から除外され、MBHの大株主順位は、日興コーディアルグループの1位はそのままだが、2位のソニーが3位となり、代わって3位だったMBH代表取締役社長CEOの松本氏が2位になる。
この売却は、MBH株式の取引・上場市場が現在の東京証券取引所マザーズ市場から、9月21日に東証一部へ変更することに伴い、東証の上場基準の1つである「大株主上位10者の持ち株比率を70%未満に抑える」という点をクリアするための措置だ。
ソニーは「今回のMBH株の売却は、あくまでもMBHから相談されて合意したテクニカルな要因によるもので、積極的な売却ではない」とし、「今後、段階的にMBH株を売却して資本関係をなくすようなことも現段階ではまったく考えていない。良好な関係は今後も続けていく」と説明した。
このMBH株の売却により、ソニーは連結税引前利益で約180億円の売却益を計上する予定で、これを加味した2006年3月期の業績見通しも、9月22日の経営方針説明会で改めて発表される見込みだ。
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