楽天は9月6日、アフィリエイトサービスを手がける米LinkShareを買収すると発表した。創業者を含む既存株主から同社の発行済み株式をすべて買い取る。買収総額は4億2500万ドル(邦貨換算で約464億円)。買収が完了するのは4〜6週間後となる。
買収資金は銀行からの借り受けで賄う。LinkShareおよび日本法人のリンクシェア・ジャパンの経営陣に変更はない。リンクシェア・ジャパンはLinkShareと三井物産が50%ずつ出資しているが、同社の資本構成についても変更はないという。楽天からLinkShareに役員を派遣するかという点については「現在検討中」(楽天)としている。
楽天はLinkShareの買収により、本格的な海外展開に乗り出す方針だ。これまで同社は2004年に中国で航空券予約事業などを行うCtrip.com Internationalに約20%出資しているが、目立った海外事業は手がけていなかった。今後はLinkShareを中核に据えて海外でも事業を拡大する。
今回の買収について、楽天代表取締役会長兼社長の三木谷浩史氏は、「LinkShareが持つアフィリエイト、検索、Eメールに対応した成果報酬型マーケティングの専門知識は、楽天が米国進出と海外事業の拡大を図る上で、素晴らしい第一歩をもたらす。我々はLinkShareの顧客パートナーシップと世界的に優位な技術力を生かし、LinkShareにも将来にわたって飛躍的な成長をもたらす」とコメントしている。
また、LinkShareの会長兼CEOであるStephen D. Messer氏は「世界進出に積極的な楽天と組むことで、拡大を続けるインターネットやEコマースの世界で優位に立てる」と買収を受け入れた狙いを明らかにしている。
LinkShareは1996年に創業したアフィリエイトサービスを手がける非上場企業だ。Apple ComputerやDellなど500社以上の顧客を持ち、2004年6月期の売上高は3200万ドル、営業利益は100万ドルとなっている。
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