Adobe SystemsによるMacromediaの買収提案に関し、米司法省が両社に追加情報の提供を要請したことが、米国時間11日に明らかになった。
両社によると、米司法省はマルチメディアコンテンツ制作用ツール分野における競争状態の変化に注目しており、とくに両社のウェブオーサリングおよびベクターグラフィックスベースのイラストレーションツールに関する追加情報を要求しているという。
Adobeは4月に、Macromediaを34億ドルで買収すると発表した。Adobeはこの買収を通じて、自社製ツール類の品揃え拡大や、多数のOSやデバイスへのマルチメディアコンテンツ配信を行おうとしている。
この買収の背景には、Adobeが電子文書市場で競争に直面し始めているという事情がある。PDFソフトウェアを擁するAdobeはこの市場で首位に立っているが、近年複数のオープンソースベンダーが参入してきており、同社とこれらの企業との競争は激しさを増している。また、同社はMicrosoftの動向も注意深く見守っている。
Adobeによると、今回司法省から追加情報の提出を求められたが、それでも合併が今秋完了するとの見通しは変わらないという。
独禁法規制当局が大型合併に関して厳しい調査を行うのはよくあることで、それが同一市場で活動する企業同士の場合は特にこうした調査の対象となりやすい。
Kilpatrick Stocktonで独禁法部門を率いる弁護士のConnie Robinsonは、「当事者が同一市場でビジネスを展開している場合、2回目の(情報提供)要請があるのは珍しいことではなく、特にソフトウェア市場ではそうしたことが多い。目に見え、触れることのできる道具などと異なり、ソフトウェアは触れて理解するのが難しいからだ」と述べている。
AdobeとMacromediaはすでに司法省に対して予備情報を提出しているため、今回の要請は2度目と見なされる。予備情報の提出は、合併を検討する企業が通常行う手続きだ。
司法省は、ある合併が業界の他のベンダーや市場全体の勢力図にもたらすと予想される影響や、さまざまな変化が価格設定や顧客に及ぼす影響を評価することに関心を抱いている。
ただし、OracleによるPeopleSoftの買収のように、司法省が合併に異議を申し立てても、その買収が頓挫するとは限らず、企業側の主張が通る場合もある。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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