Microsoftが、人気Linuxディストリビューションの開発で重要な役割を果たした人物を採用した。目的は、社内開発者にオープンソース教育を施すことだ。
Gentoo Foundationのウェブサイトに今週掲載された情報によると、Gentooプロジェクトの創始者で元チーフアーキテクトのDaniel Robbinsが、5月下旬からMicrosoftで働き始めたという。Robbinsは「Microsoftが、オープンソースやコミュニティベースのプロジェクトについて理解するのを支援をしている」と、同サイトには書かれている。
Microsoftは米国時間15日、Robbinsが社内教育関連の業務に従事することを認めた。
Microsoftの関係者によると、「Daniel Robbinsは、Platform Valueチームのリサーチラボを率いるBill Hilfの下で勤務する。研究所の所在地はレドモンドだ。Hilfのチームは、オープンソース開発、テスト、配備について、Microsoftのプロダクトチームに教育を行う」という。
Gentooは、Linuxディストリビューションの一種。同ディストリビューションの開発者らはGentooについて、あらゆる目的やニーズに応じて完全にカスタマイズすることが可能なオペレーティングシステムであると主張している。ネットワークセキュリティ会社のNetcraftが先ごろ実施した調査によると、Gentooを稼働するウェブサイトの数は、半年前と比べて約50%増加しているという。
Gentooプロジェクトに携わるUlrich Plateは、ZDNetの取材に対し、RobbinsがMicrosoftに加わったことについて何も懸念していないと述べ、これからも同氏と良好な関係を維持したいと付け加えた。
「Gentooのようなオープンソースコミュニティのプロジェクトが抱えている問題として、開発者に報酬を支払うことが財政的に難しい点が挙げられる。われわれのように、高度かつパワフルな技術を有するコミュニティであっても、例外ではない。開発者が企業に就職する道を選択するのは、ひとえに家族を養うためだろう。例え就職先がオープンソース関連企業でなかったとしても、この動きが、開発者のポリシーが変わったことを意味するわけではない」とPlateは説明する。
「RobbinsがGentooの開発に活発に関わっていたのは、1年程前までだ。Robbinsがどのようなキャリア選択をしたとしても、われわれは、チーフアーキテクトであったRobbinsと良好な関係をこれまで保てたことを幸せに思い、これからもそうありたいと願っている。新しい仕事での彼の幸運を願っている」とPlateは述べた。
しかし、Gentooユーザーの一部は、MicrosoftがRobbinsを採用した理由について懸念を表明している。Gentooフォーラムには、「われわれは、Linuxに関する『情報』のこととなると(Microsoftが)どのような行動に出るかを知っている。(Robbinsは)アンチLinux派となってしまったのだろうか」という投稿が既に書き込まれている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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