日立製作所は2月2日、同社と富士通が50%ずつ出資して設立したPDP(プラズマディスプレイパネル)メーカー、富士通日立プラズマディスプレイ(FHP)を子会社化すると発表した。
これに伴い日立は、富士通の所有するPDP技術に関わる特許を3月末までに取得する。また、4月にはFHPの発行済み株式総数の30.1%にあたる株式を富士通より取得し、FHPを日立の連結子会社とする。株式取得後の所有株式比率は、日立が80.1%、富士通が19.9%。FHPの社名および経営陣は、子会社化後も当面現状のままだという。
FHPの子会社化について日立では、「急速に拡大を続ける薄型テレビ市場では、高度な映像処理技術はもちろん、ディスプレイパネルがもたらす付加価値が重要だ。日立が薄型テレビ市場で築き上げた高いポジションを確固たるものにしていくためには、プラズマテレビ事業自体の強化はもとより、日立グループの抱えるHDD/DVDドライブやLSIなど部品事業との相乗効果や、ユビキタスネットワークシステムへの対応といった新しい映像事業と、そのキーデバイスであるPDPの両事業の経営戦略を一元化して、新たなビジネスモデルへと移行する必要がある」としている。
同社はまた「PDP市場の競争が激化する中、FHPもさらに高い付加価値を持ったパネルを開発するため、日立のノウハウを今まで以上に活用し、数多くのセットメーカーのニーズをみたすパネルを開発・製造しなくてはならない」とし、今後両社が経営戦略の一元化をより強めていくとした。
PDP市場は、参入メーカーの増加や低価格化が進んでおり、各メーカーが生き残り策を迫られている。現在FHPは富士通の連結子会社となっているが、富士通が先日発表した2004年度第3四半期決算では、半導体やPDP、LCDなどの売上減少が影響し、売上高が前年同期比245億円減の1兆436億円となっていた。また営業利益でも、ソフトウェア・サービス部門およびプラットフォーム部門では前年同期比プラス成長となったものの、PDPを含む電子デバイス部門の営業利益は、前年同期比マイナス152億円の3億円と大きく減少していた。
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