ヤフーは1月20日、2004年10〜12月期(第3四半期)の連結業績を発表した。
情報発信サービスを行うメディア事業部と、検索サービスなどを行うリスティング事業部を中心に広告が大きく伸びたため、売上高は309億6500万円と前年同期比54.2%増加した。自動車やデジタル家電、化粧品、食品などの業界を中心にインターネット広告への出稿意欲が引き続き高まったことや、一部動画広告の開始などが追い風となり、特に「ブランドパネル」や「スーパーバナー」といった主力広告商品が好調だった。
このほか年末需要の季節要因もあって、オークション事業部などのパーソナルサービスも売り上げの増加に寄与した。オークションは、12月の月間取扱高が580億円、四半期取扱高が1666億円と共に過去最高。
利益面では人員やサービスの増加、設備増強に伴う費用が拡大したうえに特殊要因もあってコストがかさんだが、売り上げの伸びがこれを上回った。このため、経常利益は154億6600万円と前年同期比38.0%増加し、純利益も92億5200万円と前年同期比39%増加して過去最高益を更新した。
特殊要因は2つあった。まず、Yahoo! BB事業部で紹介キャンペーンの販促費用計上時期を前倒したことにより、一時的に追加コストが発生した。
もう1つは、米Yahoo! Inc.とのライセンス契約に記載されているロイヤリティの計算方法に関して再確認した結果、(1)計算のベースを単体の損益計算書から連結の損益計算書とすること、(2)計算のベースを売上総利益から売上高にすることで合意した。これに伴って、ロイヤリティの加算や特別損失が発生したのだ。ライセンス契約を取り決めた1996年当時と現在ではヤフーの業容が大きく変化したため、このようなことが起きた。今後は新たに事業を開始する際に、その都度Yahoo! Inc.と計算方法を確認することになった。
2005年3月期通期の業績については、連結純利益で353億5500万円〜365億500万円(前期248億円)と通期でも最高益を見込んでいる。将来の成長に向けた積極的な投資や子会社費用の増加などでコストが引き続きかさむものの、売り上げの伸びがこれを吸収する見通しだ。
こうしたコストの増加について、代表取締役の井上雅博氏は「特殊要因を除けばコストの増加は以前から言ってきたとおり。セキュリティのレベルを一段階向上させるという当初の目標については今期中に完了する見通しだが、東京に一極集中しているデータセンターの分散などは今期中には無理だと思う。サポートのレベルを向上させるなど、まだまだやりたいことはたくさんあるので、そうした意味では体制整備や環境整備における費用は来期以降もかかるだろう」と説明した。
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