IBMは、SCO GroupとのLinux訴訟を管轄する裁判所に対し、IBMがSCOの著作権を侵害していないという裁定を迅速に下すよう求めた。
IBMは18日(米国時間)、ソルトレイクシティの連邦地裁に略式判決を求める申し立てを行った。IBMは、SCOがこれまで主張してきた著作権の裏付けとなるような証拠を提出しておらず、今後提出する可能性も小さいことから、SCOの著作権の申し立ては退けられるべきだと主張する。
「SCOは、IBMのLinux事業がSCOの著作権を侵害したと数カ月にわたって訴えているにもかかわらず、その裏付けとして必要な基礎的な証拠をいまだに提出できずにいる」と申し立て文書には記載されている。
SCOの関係者にコメントを求めたが、即答は得られなかった。またIBM側の関係者も、申し立て文書に記載されている以上の内容はコメントしていない。
SCOが証拠を提出できずにいることは、裁判所が迅速に裁定を下してよいことを意味すると、IBMは申し立てのなかで主張している。また「この反訴に関しては、新しい事実を追加提示する必要はない」と述べ、「SCOが裁判所の(証拠を提出するようにという)要求に繰り返し応じられなかったことからも、IBMが著作権を侵害していないことが簡単に分かるはずだ」と主張する。
SCOは昨年、同社がコントロールするUnixコードを違法に流用したLinux製品をIBMが配布したなどとしてIBMを訴え、IT業界を混乱に陥れた。この問題はその後、Linuxへの多岐にわたる攻撃に発展し、Linux企業のNovellやRed Hatの注意を引いただけでなく、世界のLinux支持者たちの怒りを買った。
SCOはその後、自動車部品の小売チェーンAutoZoneなど、複数の有名なLinuxユーザー企業へと訴訟の対象範囲を拡大した。
さらにSCOは、最近になって、このAutoZone訴訟と本流のIBM訴訟を関連付けて、AutoZone訴訟が解決するまでは著作権の主張に関する判決を遅らせるよう求める申立てを提出した。両案件には、関連性のある問題が含まれるからだ。
IBMは18日、これに対する別の申し立て書を提出して、SCOの著作権要求は全面的に無効だと主張した。SCOの幹部らは、これら一連の訴訟が業界にとっていかに重要かを主張する声明を発表し、IBMの冷笑を買っている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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