何千台ものコンピュータの計算能力を集めて利用するあるグループが、これまでで最も大きな素数を発見したと発表した。わずか半年前に作った記録を、自ら更新した形になる。
素数とは、1とその数自身でしか割り切れない数のことである。Great Internet Mersenne Prime Search(GIMPS)グループが、研究の対象としているメルセンヌ素数(Mersenne Prime)は、より難解な条件を持つ。同グループのプロジェクトは、メルセンヌ素数を探すプログラムをマシンのバックグラウンドで起動させるボランティアによって成り立っている。
米国時間5月15日、プロジェクトメンバーの1人が、最大の素数を発見したことに気づいた。GIMPS主催者のGeorge Woltmanは18日に電子メールによるインタビューに応え、発見された数字は今後2〜4週間かけて別のテストで検証され、もし正しい結果だと確認されれば、現状で分かっている素数のなかで最も大きな数字であり、41番目のメルセンヌ素数となるだろうと述べた。
あるGIMPSのメンバーが2003年11月、これまで最大とされてきた、630万桁の素数を発見した。当時GIMPSは、21万1000台のコンピュータと、それを動かす6万人のボランティアによって支えられていた。
今回は、発見までに2年かかった前回よりも、早く新しい数を発見することができた。「40番目のメルセンヌ素数発見のニュースが多くの新規ユーザーを呼び寄せ、われわれの計算能力を大いに高めた。また41番目と40番目のメルセンヌ素数の間隔が通常よりも短かったこともある」とWoltmanは説明する。
もっと小さな素数は暗号に利用されるが、最大の素数の追及は、主に学術的な関心によるものだ。電子フロンティア財団(Electronic Frontier Foundation:EFF)は、1000万桁以上の素数を発見した共同コンピュータプロジェクトに対して、10万ドルの懸賞金を支払うとしている。
今回発見された素数は、懸賞で求められる桁数には届いていないとWoltmanは述べる。「EFFの懸賞は、まだ誰にでも、入手するチャンスがある」(Woltman)
メルセンヌ素数(Mersenne Prime)とは、「p」を素数とするとき、2の「p」乗-1という形で表される素数のこと。こうした種類の素数を研究した、1588年生まれのフランスの修道士で数学者でもあったMarin Mersenneにちなんで名付けられた。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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