Patriot Scientificという社員約8人の半導体設計会社が、自社の特許を侵害した疑いがあるとして150社の企業に書簡を送付した。
サンディエゴに本社を置く同社では、Intelや日本の大手電子機器メーカー5社を相手取り、既に訴訟を起こしている。自社の持つ特許のひとつが、120MHz以上で動作するマイクロプロセッサの設計に使われているというのが同社の主張だ。その結果、Patriotは該当するマイクロプロセッサのメーカー、もしくはこれらのプロセッサをPCやルータ、通信機器その他に組み込んだ企業から使用料を受け取る権利があるとしている。
Patriotは書簡送付先について、世界有数の電子機器メーカー各社だと述べただけで、具体的な企業名は明らかにはしなかった。
これに関して、Intelは以前、自社のチップはPatriotの知的財産を侵害していないと断言している。
この訴訟は数十億ドルの賠償金支払いを巡って争われる可能性もある。Patriotは、自社の知的財産がこれまでにあわせて1500億ドル相当のチップに組み込まれてきたと主張している。なお、CNET News.comがインタビューした特許の専門家は、この特許の評価はまだできていないと話している。
Patriotの主張は、米国特許商標庁の登録番号5,809,336の「High Performance Microprocessor Having Variable Speed System Clock」(可変クロックスピード対応ハイパフォーマンスマイクロプロセッサ)という特許を巡るものだ。
マイクロプロセッサは水晶の振動によってタイミングを取っている。この業界が誕生した当時、プロセッサは水晶の振動と同じ速度で動作していた。ところが、マイクロプロセッサの方が水晶よりも大幅に高速化し、両者を同期させるための内部メカニズムが必要になってきた、と独立系のチップアナリストで、Patriotの科学技術諮問委員会メンバーでもあるJim Turleyは2月に述べていた。
昨年の半ばに、Patriotの経営陣はPentiumチップを採用するPCメーカー各社に請求の訴えを起こせると判断したとTurleyは話している。
この特許は1995年6月に申請手続きが行われ、98年9月に付与された。なお、これは1989年8月に申請されたある特許が元になっている。
Patriotの経営はこのところ低迷を続けている。1987年設立の同社は、通信および医療機器向けの組込プロセッサを専門にしており、ピーク時には32人の社員がいたが、米証券取引委員会(SEC)へ提出された書類によると、今年2月の四半期決算では、売上高が3384ドル、純損失が97万6000ドルだったという。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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