テキサス州オースティンにあるForgent Networksという会社が、JPEGファイル形式の基盤となる圧縮技術に関して同社が保有する権利が侵害されたとして、大手コンピュータ・電機メーカー31社を相手に損害賠償を求める訴訟を起こした。
この訴訟は24日(米国時間)にテキサス州東部連邦地方裁判所で起こされたもので、Forgentは被告のハードウェア・ソフトウェアメーカーらから、JPEGの圧縮技術に関する同社の特許使用料を受け取る権利がある、と主張している。JPEGは画像の圧縮・共有方法として、インターネット上で最も人気が高い技術のひとつ。
スケジューリングソフトウェアのメーカーであるForgentは、同社の子会社Compression Labsを通じてこの訴訟を起こした。被告にはApple Computer、Dell、Hewlett-Packard(HP)、IBMなどのコンピュータ大手各社から、Canon、Creative Labs、JVC、Xeroxといった多数の有名電機メーカーまで名を連ね、さながらハードウェア有力企業リストのようだ。またAdobe SystemsやMacromediaなどソフトウェアメーカー数社も、被告に挙げられている。
Forgentは以前、これらの各企業とライセンス契約を結ぼうと試みたが、交渉プロセスが行き詰まったと感じたのだ、と同社代表者は説明している。
「われわれは1年以上にわたって交渉を続けてきたが、もはや一歩も先に進まなくなっている。訴訟は最後の手段であり、残念だが、こうすることが必要だった」とForgent広報Michael Noonanは、述べている。
Forgentは2002年7月にJPEG関連の特許を初めて主張して以来、積極的にJPEG関連の特許使用料を集めようとしてきている。同社は2003年2月には、米国特許4,698,672号に関してソニーと1600万ドルのライセンス契約を結んでいる。
同社は最近2年間で、9000万ドル以上の特許ライセンス料収入があったと主張している。Noonanによると、この特許は1987年にCompression Labsが取得したもので、Forgentが創立した企業の1つVtelが以前購入したのだという。
JPEGが1986年に考案されてから、このファイル形式の標準を制定してきたJoint Photographic Experts Group委員会は、この技術への特許の主張に不快感を示している。Forgentが最初にJPEG関連特許を主張した際、同委員会はJPEG標準から使用料を得ようとする行為を非難し、Forgentの試みに対して失望を表明している。
Forgentが特許を保有するのは画像圧縮に関連した技術で、デジタルカメラなどの機器で静止画像を圧縮・保存・操作・印刷・転送した場合には、この特許に抵触する。Forgentはまた、自社の特許権はデジカメをはじめとしてPDAや携帯電話機、プリンタやスキャナーなどにも適用されるとしている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス