IBMは、SCO Groupからのいかなる著作権侵害の訴えについても、自社を免責とする司法判断を求めている。
この要求は、IBMが30日(米国時間)に提出した、SCOに対する反訴の修正訴状に盛り込まれている。SCOは、同社がコントロールするUnixコードを違法に流用したLinux製品をIBMが配布したなどとして、同社を訴えている。
IBMは、ソルトレイクシティの連邦地裁に提出した訴状のなかで、「IBMはLinuxの利用や複製、改善などの活動を通じて、SCOの持つ著作権を侵害するようなことは一切しておらず、またそうした侵害に関わってもいない。さらに、SCOが主張しているUnix著作権は、全てもしくは部分的に根拠がなく、法的効力がない」との確認判決を出すよう同裁判所に求めている。
またこの訴状では、「グラフィカルメニューツリーを使ってプログラム間をナビゲートする手法」についてIBMが保有する特許に関し、SCOがIBMの特許を侵害したとの主張が削除されている。IBMは当初、この特許がSCOの製品に統合されていると主張していた。
SCOは先週、この特許に関する訴えを別の裁判に分離するよう求める提案を提出していた。
30日の修正反訴は、SCOが2月末に提出した修正訴状に対応したもの。IBMのある関係者は、この修正反訴に関するコメントを差し控えている。またSCOからはすぐにはコメントが得られなかった。
SCOは昨年、SCOが管理しているUnixオペレーティングシステム(OS)のソースコードをIBMが違法にLinuxソフトウェアに流用したとして同社を訴え、ハイテク業界に大混乱を引き起こした。この裁判はその後、Linuxへの多岐にわたる攻撃に発展し、著作権や特許侵害などの訴えに加え、50億ドルの損害賠償を求める訴訟に膨らんだ。
またSCOの訴訟を受け、以前Unixを所有し、現在はLinux販売大手となっているNovellや、Linuxディストリビュータ最大手のRed Hatなどの他の企業でも、今回のIBMの訴えと同様にSCOを相手取って、確認判決を求める訴訟を起こしている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向け に編集したものです。
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