三菱電機は2月2日、2003年度第3四半期(2003年10月〜12月)の連結決算を発表した。売上高は7468億1300万円(前年同期比419億1100万円減)と減収となったものの、営業利益が273億300万円(同211億8700万円増)、純利益が110億6200万円(同99億800万円)と大幅な増益となった。情報通信システム部門や産業メカトロニクス部門などが好調に推移したほか、構造改革により売上原価や販売管理費などを圧縮したことが利益を押し上げた。
三菱電機 上席常務執行役の佐藤行弘氏 | |
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三菱電機は半導体事業を分社化し、日立製作所と共同でルネサステクノロジを設立するなどの事業再編を進めた結果、売上高が減少している。第3四半期の売上高における事業再編の影響は1070億円にのぼるといい、「実質的には前年同期比9.5%増、金額にして950億円の増収」(三菱電機 上席常務執行役の佐藤行弘氏)という。また、円高などの為替変動によって、120億円の売上減少があったとしている。
セグメント別にみると、情報通信システム部門は国内向け携帯電話事業が好調で、売上高は前年同期比18%増の1427億5100万円、営業損益は前年同期から66億7900万円改善し、28億7600円の黒字となった。
産業メカトロニクス部門は液晶パネル・半導体製造装置やカーナビゲーション、ETC車載器などが好調。売上高は前年同期比10%増の1784億4000万円、営業利益は6%増の189億9900万円となっている。
電子デバイス部門は事業分社化の影響によって売上高が大幅に減少したものの、半導体事業が3億円の黒字を出すなど業績は改善している。売上高は前年同期比69%減の359億8500万円、営業損失は前年同期から139億2900万円改善し、12億7300万円の赤字にとどまった。
また、関連会社の業績が改善していることから、持分法利益で8億7600万円を計上した。なかでもルネサス テクノロジからは「8億円以上の利益が上がっている」(佐藤氏)という。
三菱電機では第4四半期に厚生年金基金の代行返上を行い、400億円以上の損失を計上する予定。ただし通期の業績見通しに関しては変更を行わず、売上高3兆3000億円、営業利益800億円、当期純利益120億円と予測している。
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