e-Japanの重点施策のひとつとして、住民票の写しやパスポートの申請、納税申告などを家庭のパソコンから行える新しい電子申請サービスが始まった。具体的なサービスとしては、2月2日から東海4県で始まった国税の電子申告が第一弾。
これに先だってビックカメラ(新井隆司社長)では、1月26日から有楽町店に「公的個人認証サービス」の展示・体験コーナーを開設した。
5階パソコンフロアのエスカレータの正面奥に、42インチの大型液晶ディスプレイ4面とパソコン3セットを設置。自宅のパソコンから住民票の発行申請を行う手順や操作を疑似体験できる。「普段は売れ筋商品などの集客デモ用に使う一等地」(有楽町店・小原稔店長代理)を割り当てるという力の入れようだ。
「電子申請というと難しそうだが、実際に体験してみれば意外に簡単。自宅のパソコンでどんなふうに電子行政サービスを利用できるのかを、いち早くお客さまに体験してもらいたい」というのが狙い。
実際の電子申請サービスは、まず、住民基本台帳ネットワークの情報をもとに、役所で本人認証用のICカードを作成する必要がある。カードの本人認証情報を自宅のパソコンに接続したICカードリーダーで読みとり、役所のホームページにアクセスすれば、比較的簡単に住民票の写しなどの発行申請をすることができる。
同コーナーのパソコンでは、「東京都東西市」という架空の自治体ホームページと、体験用ICカードを使うことで、ほぼ実際の手順と同様の体験ができる。あわせて電子申請の接続試験済みのICカードリーダー/ライターも販売する。
e-Japan関連のプロジェクトは、これまで行政レベルの施策が中心で、一般の消費者に対する浸透は必ずしも高くない。店側でも、当初どの程度の反響があるかを読み切れないままのコーナー開設だったが、「思った以上に関心が高くて、正直驚いている」と顔をほころばせる。2人の説明担当者が対応しているが、パソコンに詳しいユーザーばかりでなく、女性や家電を買いにきた一般の来店客から説明を求められることが多いという。
同社では、名古屋駅西店をはじめ全国20店舗でも電子申請に必要なICカードリーダー/ライターの販売を開始した。「e-Japanや電子政府などの動きは、表面からは見えないところで新規商品の潜在需要が広がっていく可能性がある。そのためにも大きなブースでできるだけたくさんの人たちに、こうした新しい電子行政サービスを紹介していきたい」と力を込める。
電子申請の具体的なサービス開始時期は、各自治体に任せられているため、全国に広がるのは今年半ば以降となる見通しだ。また、スタート段階では、申請した証明書を役所の窓口で受け取るなど利便性は今ひとつ。しかし、こうした電子行政サービスの波及効果が量販店の店頭まで広がるようになれば、e-Japanは構想から実現段階へ大きく一歩を踏み出したといえるだろう。
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