パナソニック モバイルコミュニケーションズは11月16日、携帯電話2010年秋冬モデル5製品に関する商品説明会を開催した。NTTドコモ向けに3機種、ソフトバンクモバイル向けに2機種を提供する。
ワンセグ機能を強化した「VIERAケータイ」は、大画面テレビ「VIERA」で培った映像技術を搭載した製品として注目を集めた。2007年に投入した第1号機から2010年10月までに累計出荷台数880万台を達成したという。今期は、新たにデジタルカメラ「LUMIX」の名を冠した「LUMIX Phone」を発表。LUMIXで培った技術をもとに「Mobile VenusEngine」を搭載し高画質な撮影機能を特長とする。暗いところでも美しく撮影できる「高感度フラッシュ」などを備えた。
パナソニック モバイルコミュニケーションズ 代表取締役社長の脇治氏は、「携帯電話に求められるものは、今も昔もそれほど変わってはいない。デザインとカラー、液晶のきれいさ、カメラ機能」とし、LUMIX Phoneによってユーザーの声に応えたと語った。
今後は、スマートフォンの需要が2011年度より本格化するとし、Android日本では2011年前半、海外は2012年前半に複数台のAndroid端末をリリースする と表明した。2011年前半に投入予定の1号機は「Myファーストスマートフォン」が開発コンセプトだという。パナソニックグループ全体として、グローバルで2015年までに1500万台を目指すとしている。
国内メーカーでは、シャープがAndroid端末を投入しており、今期は国内で最多となる5モデルのスマートフォンを発表するなど先行している。
スマートフォンの開発の遅れについて、「最大の要因は、Androidがここまで世界の主流になるだろう、という予測を固めたのが遅れたこと。日本のマーケットで、ここまでスマートフォンが速く普及すると予想できず、見誤った。昨今の動きを見ていると、その動きは加速している。スマートフォンへのシフトをいかに速くするかがポイントだと思っている。(スマートフォンの国内需要予測は)2011年は18%、まだ2割に届いていない」とし、早急に端末を出すことで、追いつきたい考えを示した。
一方で、iPhoneをはじめ海外メーカーの端末が日本市場でも人気を集めている。「パナソニックとしてもグループの総力を生かしていかないと、とても勝ち目はないんじゃないかと思っている」と危機感を露わにし、独自の機能で勝負するとした。
パナソニックは、スマートフォンの方向性として、使いやすさを追求し、潜在ユーザーの開拓をめざす「生活サポート型」とパナソニックのAV性能を搭載した「AV融合型」の2つを打ち出した。
生活サポート型は、20代男女、アクティブシニア、キッズをターゲットとする製品。「本格普及期は来年と見ている理由は、『まだ手が出ない』と思っている人がいるから。それぞれの生活用途で使いやすさを追求してスマートフォンを使ってもらえる製品にする」と語った。パナソニックグループの強みを生かし、パナソニックが「くらし商品群」と呼ぶ家電製品とスマートフォンをつなぎ、安心し快適な暮らしをサポートする機能を持つという。
AV融合型は、すでに実績のあるVIERAケータイやLUMIXケータイをもとに、3D、カメラ、フルHD、デジタル放送、コンテンツ連携などを集結。高品質かつ高級感、高耐久性、さらにECOといった基本機能を備えたスマートフォンを考えているとした。
海外展開について、まだターゲットとする地域などは「公表できる時期にない」としているが、国内と同様に通信サービス事業者と組んで提供するとしている。
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