サンフランシスコ発--もしAdobe Systemsの思い通りに事が運んだら、Googleの「Android」は21世紀の「Microsoft Windows」になるだろう。
Adobeのモバイル戦略は今やAndroidの長期的な成功に結びついているということに何らかの疑念があったとしても、それはAdobeの幹部陣とマネージャー陣が丸1日をかけて行ったプレゼンテーションによって払拭された。このプレゼンテーションでは、Adobeが同社のテクノロジをAndroidにどう適応させているかが説明された。これは「Android Summit」という一連のプレゼンテーションで、報道関係者向けのものだ。「Flash」や「AIR」などのAdobeの中核的なテクノロジを携帯電話やタブレットに搭載されるAndroid向けに最適化していること、そして「Google TV」がリリースされた際にはテレビに搭載されるAndroid向けに最適化することが強調された。
驚くことではないかもしれないが、Android Summitで言及されなかったのは、AdobeがAndroidを気に入った理由の1つである。Adobeは当初、パートナーとしてAppleを求めていた。それは少なくとも「iPhone」が急成長した2008年にまで遡る。しかし、AppleとAdobeの仲違いは2010年春に大きな注目を集める出来事となった。Appleの最高経営責任者(CEO)であるSteve Jobs氏は公開書簡でFlashとAdobeを批判し、GoogleとAdobeは5月のGoogle I/Oイベントでそれに反論した。そして「マニア大戦争」の戦場は、「Windows」対「Mac」からAndroid対iPhoneへと正式に移行した。
しかし、Adobeがかなり前からAndroidを狙っていたのも事実だ。2008年11月の時点ですでに、AppleがAdobeと協力することにあまり興味を抱いていないのは明白だった。Adobeのエンジニアリング担当シニアディレクターPaul Betlem氏によると、後に「Flash Player 10.1」になるものの開発作業は、初のAndroid搭載携帯電話「T-Mobile G1」デバイス上で開始されたという。
Adobeはエンジニアチームをカリフォルニア州マウンテンビューに派遣し、GoogleのAndroidチームと一緒に作業させ、Flash Player 10.1のいくつかの面を共同で開発したとBetlem氏は話す。それ以来AdobeはGoogle TVなど、ほかのGoogle Androidベースのプロジェクトを全力で支援している。
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