7月15日、NTTドコモ、KDDI、ソフトバンクモバイルの3社は「ワイヤレスジャパン2010」において、各社のコンテンツビジネス戦略について語った。
まず、NTTドコモ マルチメディア放送 編成統括部 部長の原田由佳氏が登壇した。
2006年10月にサービスを開始したiMenuは、情報を検索する行為が世の中に定着したことで利用者数が増加傾向にあるという。4月にはユーザーニーズの高いメール、乗換案内、テレビ、電子書籍のコーナーを新たに設けたリニューアルも実施し、さらなる利用者の獲得を狙う。
また、iモードの有料コンテンツによる売上も継続的に伸びており、2010年3月時点での月間のコンテンツ情報料の売上は約245億円にのぼるという。特に電子書籍やソーシャルネットワーキングサービスのアバターやアイテムによる売上が増加傾向にあるとのことだ。
コミックやゲーム、デコメールは、これまで若者が中心となって利用していたが最近は40代以上の利用者も増加傾向にあり、今後は中高年層も新たなターゲットにしていくと原田氏は話す。「iコンシェル」の契約者も2010年5月末時点で約455万人と堅調に推移しており、特に女性や40代の契約者が増えているとした。
今後は、デコメールやAR(拡張現実)機能の強化、またスマートフォン向けのコンテンツも拡充していくという。
続いて、KDDI 理事 グループ戦略統括本部新規ビジネス推進本部長の雨宮俊武氏が登壇し、同社のエンターテインメントサービスへの取り組みや今後の事業展開について説明した。
雨宮氏は、ソーシャルゲームのアイテム課金により有料コンテンツの利用額が増加しているとした一方で、40代の多くは有料コンテンツを利用していないと指摘する。
今後は、「LISMO!」の音楽、映像、書籍などに注力し、総合エンターテイメントブランドとしての基盤を強化していく。また、ファンスポーツ層や健康関心層に向けて提供するau Smart Sportsへの取り組みも強化し、携帯サービスに留まらず、リアル環境の整備やランニングイベントも開催するという。さらに、au one Marketやセカイカメラなど、KDDI独自のコンテンツも増やしていくとした。
最後に登壇した、ソフトバンクモバイル 商品統括 プロダクト・マーケティング本部 サービスコンテンツマーケティング統括部 サービスマーケティング部 部長の近藤正充氏は、同社の2010年のテーマは「コミュニケーション革命」と「コンテンツ強化」だと話す。
コミュニケーションへの施策としては、携帯端末の新機種20機種のうち14機種に「twinabi」モバイルウィジェットやTwitterアプリを搭載した。また、コンテンツ強化に向けた施策として、ワールドカップの全64試合のハイライトが無料で視聴できる「選べるかんたん動画」や、30以上の雑誌、新聞、TVを低価格で見放題になる「ビューン」などを挙げた。
今後は、ソフトバンクのオリジナルコンテンツを機種に依存しないマルチデバイスの形で提供していくほか、Androidをはじめとしたスマートフォンへの取り組み、他社とのアライアンスをより一層強化していくとした。
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