サンフランシスコ発--MicrosoftとVerizonが、ナイトクラブを選んで「KIN」を発表したという事実こそ、ターゲットに定められている市場について多くを物語っている。
小型の「KIN ONE」とワイドスクリーンサイズの「KIN TWO」ではデザインが異なっているものの、ともに同じコンセプトを共有しており、MicrosoftのEntertainment and Devices部門を率いるRobbie Bach氏が「lifecasters」と呼んでいる、あらゆる思考、景色、音声を広く伝えたいと願う人々向けの携帯電話となっている。多くの携帯電話が「Facebook」や「Twitter」のアプリケーションに対応しているとはいえ、ソーシャルネットワーキングはKINで中心的な位置を占めている。共有機能には独立した緑色のボタンが用意されており、KINで実現するエクスペリエンスの中心に据えられる。
Bach氏は、KINのターゲット層が15歳から30歳までの男女であることを明らかにしている。MicrosoftとVerizonは、両モデルが2010年5月に発売予定であると述べたものの、同月内の具体的な発売日は発表されておらず、価格についても何ら情報が示されることはなかった。
デザインを別にすれば、両モデルは非常に似通っている。ともにタッチスクリーンを装備するスライド式になっており、同じソフトウェアが搭載されている。KIN TWOには8メガピクセルのカメラが装備され、KIN ONEの5メガピクセルカメラよりも優れているほか、KIN TWOのメモリは8Gバイトで、KIN ONEの4Gバイトのメモリの倍になっており、スクリーンのサイズもKIN TWOのほうが大きい。
しかしながら、両モデルともに「iPhone」に対抗する位置付けではない。Bach氏は、Microsoftの一般的なスマートフォン戦略を担うのは「Windows Phone 7」のOSであることを強調しており、搭載製品は今秋から登場してくる予定である。実のところ、MicrosoftとVerizonが独自にワイヤレスでアップデートやアドオンプログラムを配信することはできるものの、KINのユーザー向けにはアプリケーションストアすら用意されていない。
KINの装備の中には、「Zune」サービスが組み入れられた初の携帯電話となっているなど、いくつかの重要な特徴もある。両モデルともに、PCからロードされたZuneの動画や音楽を再生可能となっており、KINユーザーは移動中もワイヤレスで音楽をストリーミングできる。
搭載されているブラウザは、「Windows Mobile 6.5」携帯電話に搭載されるブラウザのアップグレード版で、ピンチ&ズームのナビゲーションや他の新機能のサポートが追加されている。ローカル、ウェブ、デバイス上の各種検索機能も内蔵されており、検索専用のボタンが用意されている。
一緒に提供される「KIN Studio Web」サイトを通じて、ユーザーはタイムラインビューなど、コンテンツを閲覧できるようになっており、あらゆる写真にジオタグが付されるため、撮影した写真を「Bing Map」上で確認することもできる。
筆者が興味深いと感じた点を1つ挙げるならば、KINの両モデルでインスタントメッセージング(IM)の搭載が見送られる決定が下されている点だ。元々は「Sidekick」が発売された時の重要なセールスポイントに、市場で販売されている他のどのデバイスよりもIMを使いやすいという点が挙げられていた。もちろんMicrosoftとVerizonも指摘しているように、それほどIMは当時も人気を博しておらず、その頃はTwitterのようなサービスもなかった。
両モデルはともに、Microsoftの「Windows Phone」部門とVerizon、製造を手がける日本のシャープとのコラボレーションで誕生したことを示す文字が添えられている。
KINの両モデルは、Vodaphoneによって米国外でも数カ国で販売される予定である。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。原文へ
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