KDDI研究所は2月24日、携帯電話に内蔵されている加速度センサを使って、人の作業を認識する技術を開発したと発表した。業務の遠隔監視も可能になるという。
KDDI研究所によると、これまでの加速度センサを使った行動認識技術では、「歩く」「走る」といった一定の動きをくり返す動作しか認識できなかったという。今回開発した技術は、計測した加速度の大きさを一定秒数ごとに区切って分散の分布などの特徴量を求め、加速度のパターンとして記録し、基本動作パターンとの全体的な適合傾向を比べる。これにより、たとえば掃き掃除であれば「ほうきを動かす動作」「歩く動作」「ちりとりにゴミを集める動作」といったように、さまざまな動きが混在する一連の動作を、1つの作業として認識できるとのことだ。
比較対象となる基本動作パターンについては、あらかじめ用意した定型パターンと、過去の作業記録から求めた実測パターンの両方を利用し、学習させる。パターン学習が進むにつれ、加速度センサによる計測データだけで業務が通常どおり行われたかどうかを判断できるようになるという。
加速度のパターンを遠隔地にあるサーバに集めれば、複数の異なる場所における業務を集中監視できるようになる。KDDIでは今後、作業種別にフィールド実験をし、さまざまな分野で応用できるように技術を拡張する考えだ。
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