自社の携帯電話「Nexus One」を一般消費者に売るという難題を、Googleがどの程度クリアできるかはまだ分からない。だがその一方、ハイテクに精通した人々の世界では、これ以上ない人物からの支持を取り付けた。
Linuxカーネルの生みの親で、今も開発プロジェクトを指揮するLinus Torvalds氏は、米国時間2月6日付のブログ投稿の中で、Nexus Oneを気に入っただけでなく、携帯電話そのものに好感を抱くようになったことを明かした。
「私はそもそも電話が嫌いだ。電話というのは、仕事や読書など何をしているときでも、人をいら立たせ、邪魔をする。だから私にとって携帯電話は、場所を問わず人をいら立たせる存在でしかない。しかしそんな私でも、Nexus Oneは素晴らしいと認めざるを得ない」。Torvalds氏は自身のブログで、このように述べている。
電話で話すという行為自体は、今なおTorvalds氏にとってそれほど楽しいことではないようだが、代わりにTorvalds氏を魅了したのは通話以外の機能だ。
「前から自分の車にGPSシステムを取り付けたいと考えていたのだが、Googleのナビゲーション機能のおかげで、ようやく携帯電話が役に立ってくれるかもしれないと思った。実際、役に立っている。なんという違いだ! 私はもう、携帯電話を『万が一』誰かに連絡を取る必要が生じたときのために、いやいや持ち歩いているとは思わなくなった。それどころか、今では便利な(そして正直なところ、とても格好いい)ガジェットを持ち歩いていると思っている。これが電話としても使えるということは、さほど重要ではない」
Nexus Oneが採用するGoogleの「Android」OSは、Linuxをベースに構築されているが、Android向けのアプリケーションは通常Linux上では動作しない。Androidでは、Linuxカーネルの上にJavaに似たレイヤ、すなわちGoogleの「Dalvik」仮想マシンと付属のソフトウェアライブラリを重ねてアプリケーションを実行する。
しかし、Googleは2009年、携帯電話のLinux OS上で直接動作するソフトウェアを開発するための「Android Native Development Kit(NDK)」を公開した。Mozillaは、このNDKを用いてAndroid向け「Firefox」の開発を進めている。
MozillaでAndroid向けFirefoxの開発に取り組むVladimir Vukicevic氏は、2日付の自身のブログで次のように語っている。「Androidを用いた作業は今のところ非常に順調だ。そのJavaコアゆえに、Androidはわれわれにとって少し独特なプラットフォームとなっているが、NDKを使えば、それほど問題なくさまざまなものをつなぎ合わせられる。実際に使えるアルファ版のようなものを出すのはまだ先になるが、それに向けて確実に一歩近づいている。基礎となる足場がいくらか整ったので、今後は作業をよりスピードアップできそうだ」
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。原文へ
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