ラスベガス発--Ray Kurzweil氏は電子書籍端末について、いくばくかのノウハウを持っている。
近代の文字認識ソフトウェア開発などに携わってきた、コンピューティング分野のパイオニアであるKurzweil氏はこの30年間、デジタル技術を使った読書体験の向上に取り組んできた。そして、学習障害を持つ人々をコンピュータでいかに支援できるか、というテーマに長年取り組んできた同氏がいま、一般大衆に狙いを定めている。
Kurzweil氏の最新プロジェクトである「Blio」は、新興の電子書籍分野を強化し、ソフトウェアによって電子書籍を単なる印刷版の電子コピー以上のものに変えようとする取り組みである。2月にリリース予定の「Blio eReader」は、フルカラーの電子書籍に、ウェブコンテンツや動画、プロのナレーターによるオーディオブックを追加する機能を統合したソフトウェアである。
Kurzweil氏によれば、このような読書体験は、「Kindle」のような現行の電子書籍端末では不可能だという。また、多くのユーザーは読書のためだけに別の端末を携行したいとは思わないだろう、とKurzweil氏は述べた。
「ユーザーは1つのプラットフォームで、映画鑑賞やコンピューティング、電子メールなど、あらゆることをしたいと考えている」とKurzweil氏はインタビューで述べた。「彼らは、別の端末を持ち歩くことを望んでいない」(Kurzweil氏)
Blioはまず、Windows PC、アップルの「iPhone」および「iPod touch」に対応する予定だが、Kurzweil氏はほかの端末でも同ソフトウェアを利用できるようにしたいと考えている。Blioは米国時間1月6日、Microsoftの最高経営責任者(CEO)であるSteve Ballmer氏の基調講演で、手短に披露された。
Blioソフトウェアは、標準的な電子書籍端末にはない、いくつかの興味深い機能強化をもたらす。Kurzweil氏は1つの例として、人間のナレーターによるオーディオブックとシンクロした「三匹の子豚」の子ども向け絵本を披露した。ナレーションに合わせて、読まれている単語をハイライト表示することができる。Kurzweil氏によれば、この機能は子どもの読書能力を効率的に向上させるという。
また別の機能強化された書籍では、より高学年向けであるかもしれない。Kurzweil氏は、クイズなどのウェブコンテンツを組み込んだ解剖学の教科書を披露した。
Kurzweil氏は、機能が制限された専用の電子書籍端末に大きな市場があるとは思わない、と述べた。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。原文へ
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