日本ヒューレット・パッカードは8月5日、通信モジュールとSIMカードを組み込んだモバイルノートPC「HP Mobile Broadbandモデル」を9月上旬より順次販売すると発表した。
プリペイド式のモバイルデータ通信サービスを提供する日本通信との提携によるもので、ネットワークは、3G回線網(NTTドコモのFOMA ネットワーク)もしくは、全国約1万5000カ所の無線LANスポットを利用できる。
アクティベーション済みのSIMカードをノートPC本体に内蔵しており、最初の5分は何の設定をしなくてもインターネットに接続できる。さらに電話にて本人確認をすると100分(1000円相当)の3G回線を使ったネット接続が可能になる。なお、通信時間の追加は1分10円で、クレジットカードにて1000円単位で購入できる。Wi-Fiは、1アクセスポイントにつき1日1回300円。
キャリアとの契約手続きが不要なこと、1年もしくは2年などの長期契約なしに使う分だけを支払って利用できること、人口カバー率100%の3Gネットワークと安価なWi-Fiが利用でき、幅広いエリア対応を強みとしている。
ビジネスマンほか、就職活動などで一時的に使いたい学生をターゲットに販売していきたいという。
日本HP 取締役 副社長執行役員 パーソナルシステムズ事業統括の岡 隆史氏は、「HPは“The computer is personal again”をキーコンセプトとしている。ただのボックスを作ろうとしている会社ではない。PCをハードウェアとして見るのではなく、個人のパーソナリティを引き出すツールをつくっていきたい。誰もが求めていることを具体化した製品」と話す。
日本通信代表取締役の三田聖二氏は、この発表を「リアルのネットブックの誕生日」と表現する。20年前から、コンピュータ業界と通信業界のコンバージェンス(融合)を提唱してきたが、規制環境や文化等の違いなどの大きなギャップが存在しており、大きな進展はなかったと言う。「今回の発表は、世界初のリアルNetBook誕生。(取り出してすぐ使える)“箱からインターネット”という新しいネットブックの定義を提供したい」と意気込んだ。
今後は、ネットブックやタブレットPC、ビジネス向けノートPC「HP Elite Book」に通信モジュールやSIMカードを組み込み、HP Mobile Broadbandモデルとして販売していくという。具体的な製品のスペックは未定で、価格はモジュールを搭載しないPCと比べて5000円〜1万円プラスする見込みだとしている。
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