サムスンおよびIntrinsityは米国時間7月27日、Appleの「iPhone」のようなデバイスを対象とする、これまでで最速のプロセッサを発表した。
テキサス州オースティンに本社があるIntrinsityとサムスンが共同で開発した新たな1GHzのチップは、現在「iPhone 3GS」に搭載されている、ARMの「Cortex A8」設計に基づくサムスン製の600MHzのプロセッサとも似通っている。英国に本社があるARMは、サムスン、Texas Instruments、Qualcomm、そして最近ではNVIDIAなど、世界各国の大手チップサプライヤーに対して、ARM製の低消費電力チップ設計のライセンスを提供している。
新たにサムスンとIntrinsityが共同開発を進めたチップには、「Hummingbird」という開発コード名が付されており、iPhone新モデルや他のデバイスが将来的なターゲットとされている。Microprocessor ReportのシニアアナリストであるTom R. Halfhill氏は「そうだ、(iPhoneの次期モデルでの採用の)可能性は確かにあると考えている」と語った。
Halfhill氏は、電子メールで寄せられた質問に対して、iPhone 3GSで採用されている「S5PC100」プロセッサへと言及しつつ、「サムスンは、ほとんど大きな変更を加えることなく、Hummingbirdを現行のS5PC100の設計に落とすことも可能である。まさにビンゴだ。iPhoneの次期モデルは、最高1.0GHzの高速スピードで動作することになるだろう」と答えている。
同氏は、サムスンが将来的には別のスマートフォンへHummingbirdを用いる可能性があるとも付け加え、Microprocessor Reportが27日に発表した調査リポートの中でHummingbirdについて詳しく論じた経緯で、同チップが将来的にAppleの製品で採用されていく可能性に言及している。
Halfhill氏によれば、ますますスマートフォンの高性能化が進むにつれて、より高速のプロセッサが求められてくるという。そこにたどり着く1つの方法は、チップの「クロックスピード」とも呼ばれる動作速度を上げることにあるが、これまでARMは、同社の設計が、高いパフォーマンスというよりは省電力性能に重きを置いたものであったため、あまりこの面を強調してはこなかった。
だが、その傾向にも変化が生じてきている。サムスン電子のシステムLSI部門でSOCプラットフォーム開発バイスプレジデントとなるJae Cheol Son氏は、「モバイルプロセッサコアの設計および製造分野における最大の課題は、いかにして消費電力を低く抑えつつ、高いクロックスピードのパフォーマンスを達成するかという点にある」と語った。
この記事は海外CBS Interactive発の記事をシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。 原文へ
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
地味ながら負荷の高い議事録作成作業に衝撃
使って納得「自動議事録作成マシン」の実力
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス