携帯電話をつなげてデジタルサイネージに--大日本印刷らが実験

永井美智子(編集部)2009年03月16日 18時34分

大日本印刷(DNP)と日立製作所は3月16日、携帯電話画面を利用したデジタルサイネージの試験サービスをauショップ品川店で実施すると発表した。複数の携帯電話を1つの画面のように連動させて広告を表示するという。

 期間は3月23日から約2カ月間。KDDIと講談社、auショップを運営するアイ・ティー・シーネットワークの協力を得て実施する。広告がどの程度見られているか、どのくらいの人が店舗を訪れ、携帯端末に触れるかといった点から、事業採算性を測るのが狙いだ。

 専用の携帯電話アプリをインストールした5台の日立製携帯電話「W63H」を並べ、それぞれの端末の画面が連動して広告を右から左へ流しながら表示する。広告画像は、KDDI、日立の携帯端末「H001」、講談社の「萌える麻雀入門 もえじゃん!」(漫画:大林森、原作:森永ひとみ)を配信するという。

試験サービスのイメージ

 この技術は基本仕様をDNPが担当し、日立は希望の時間にユーザーが求める情報を携帯電話の待ち受け画面に配信するサービス「キメクル」の技術やノウハウを生かして専用アプリを開発した。

 今回の試験サービスでは静止画の広告を配信するが、今後はFlash方式の動画広告やインタラクティブ広告にも対応する予定。また、携帯電話網経由での広告配信や配信サーバでの広告登録、ログ分析などができる管理機能も提供する計画だとしている。

 DNPは、今回開発したシステムやサービスの事業採算性を検証したうえで、7月以降の事業化を目指す。2009年度末までに、年間4機種での採用、1000店舗での導入を目標としている。また、日立は、今回開発したシステムと試験サービスを通じて、よりアイキャッチ効果のあるコンテンツ表示方法を検証するとともに、デジタルサイネージ事業に向けた携帯電話アプリとサーバシステムの開発、提供を目指すとのことだ。

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