NTTドコモは1月30日、2009年3月期第3四半期の決算を発表した。端末販売台数の低迷で減収となったものの、販促費を抑えられたため増益となった。「販売台数の減少には危機感を持っている」(代表取締役社長の山田隆持氏)としながらも、解約率が過去最低となり、番号ポータビリティを利用した契約者の数が初めて転入超過となったことから、「競争力改善に手応えを感じている」(同氏)とした。
ドコモによると、「ファミ割MAX50」「ひとりでも割50」「オフィス割MAX50」という新割引サービスの契約者数は3043万件となり、全体の56%に達しているという。これらのサービスは2年契約を前提に、基本料金を半額にするというもの。また、新端末向けの料金プラン「バリュープラン」の選択率は90%以上を維持しているとのことだ。
契約者1人あたりの月額利用料金(ARPU)は前年同期比10.0%減の5730円。音声ARPUが同18.3%減の3340円と大きく減少している一方、パケットARPUは同8.6%増の2390円と順調に伸びている。パケット定額制「パケ・ホーダイ」契約者数は2008年12月末で1575万人、契約率は36%となった。
解約率は第3四半期で0.44%、第1四半期から第3四半期の累計でも0.49%と過去最低の水準になった。番号ポータビリティを利用した加入者の数は2008年12月に初めて転入超過となり、1200件の増加となっている。
2008年11月より開始した「iコンシェル」の加入者数は1月19日時点で40万件を突破。「対応機種を持つユーザーの45%が契約している。iチャネルを上回るペースで加入者が増えている」(山田氏)
課題は第2世代携帯電話のmovaから第3世代携帯電話のFOMAへの移行、そして法人販売の不振だ。ドコモは同日、movaとDoPaを2012年3月に終了すると発表しており、FOMAへの移行を進めている。現在FOMAの加入者比率は87.7%だが、端末の販売減少とともに移行ペースが落ちており、「想定より遅いペース」(山田氏)とのことだ。
法人販売については、景気の低迷で「ガタガタに落ちている」(山田氏)とのこと。「システムインテグレーターを介して販売しているが、システム構築の直前で延期が決まるということが増えている」(山田氏)という。端末の販売減は販売代理店やメーカーにも大きな影響を与えることから、「対応を考えていく」(山田氏)とした。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
地味ながら負荷の高い議事録作成作業に衝撃
使って納得「自動議事録作成マシン」の実力
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス