米携帯電話市場の競争が激化しており、T-Mobile USAが苦しい状況に追い込まれているようである。
T-Mobile USAの親会社で、携帯電話企業であるT-Mobile InternationalおよびT-Mobile USAの2社を傘下に持つDeutsche Telekomは現地時間1月29日の発表で、米国内で展開する携帯電話事業における加入者数の伸びが鈍化していることに触れた。
米国第4位の携帯電話事業者であるT-Mobile USAは、2008年第4四半期中に純増数で約62万1000人の新規顧客を獲得した。前期の約67万人を下回り、前年同期の約95万1000人からは大幅な減少となった。
新規加入者の大半はプリペイドサービスの加入者だった。契約型サービスを結んでいる顧客の総数は過去四半期から減少しており、第4四半期におけるT-Mobile USAの新規の契約型サービス加入者は純増数で約26万7000人、前年同期の約73万3000人を大幅に下回った。同社は2008年第3四半期には約29万3000人の新規の契約型サービス加入者を確保していた。
第4四半期の同社プリペイドサービスの新規加入者は純増数で約35万5000人、前年同期の約21万8000人を上回ったが、前期の約37万7000人は下回った。
プリペイド市場が強い要因としては、深刻化する米国内の不況や米国内の大手携帯電話事業者間の競争激化が挙げられる。消費者は携帯電話サービス契約を解約してはいないが、一部の加入者はより低価格な代替手段を模索している。
AT&TとVerizon Wirelessの業績を見ると、より高性能なスマートフォンを求めている消費者は、T-Mobileよりも上記2社に魅力を感じるようだ。T-Mobileは携帯電話市場では割安な業者と見られる場合が多い。
T-Mobileは独自の3G携帯電話ネットワークを立ち上げ、また市場で唯一「Google Android」搭載の携帯電話である「G1」を販売している。また、第4四半期にはサムスン電子の「Behold」も販売した。好調なスマートフォンの販売が同社の契約数の増加に寄与し、第4四半期にT-Mobileが契約者に販売した端末の40%をスマートフォンが占めた。
しかし、3G携帯電話ネットワークを求めている消費者はAT&TとVerizonのスマートフォンを選ぶ傾向にあるようである。両社の3Gネットワークはより広い範囲をカバーしており、またスマートフォンの種類も豊富である。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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