ディー・エヌ・エー(DeNA)は1月28日、2009年3月期第3四半期(2008年10月〜12月)の連結決算を発表した。主力の「モバゲータウン」において、アバター関連の売上が回復したほか、モバイルECサイト「モバコレ」などが年末商戦で売上が伸び、増収増益となった。ただしモバゲータウンのタイアップ広告が大きく冷え込むなど、新たな課題も生まれている。
2009年3月期第3四半期の売上高は前年同期比12%増の93億9300万円、営業利益は同1%増の39億6200万円、経常利益は同2%増の40億2700万円、純利益は同4%増の22億2000万円となった。
このうちモバゲータウンの売上高は46億8700万円と、第2四半期を底に回復した。ハロウィンやクリスマスなどイベントに絡めたアバターや、育成系アバター、「ルパン三世」などのキャラクターアバターが人気となったことで、アバターの需要が回復したことが主な要因だ。
代表取締役社長の南場智子氏は「(アクティブユーザーの)ARPU(1人あたりの利用額)が伸びている」と要因を分析。ただし、「拡大基調だと言える状況ではなく、よりよい企画の開発とコミュニティの活性化をしないと、安心できる状況ではない」と話し、アバターの需要喚起が引き続き必要だとした。
また、景気低迷の影響もあり、広告の売上が下がっている。タイアップ広告は「広告関連売上の3%程度しかない」(南場氏)といい、第3四半期では3400万円程度の売上しかなかった模様だ。「既存広告主のリピートは順調。第3四半期は出稿を休もうというところもあったが、それ以上に新しい広告主のキャンセルがあった。モバイル広告に初めてチャレンジしようという風潮が景気低迷で縮小し、そういった雰囲気がなくなった」(南場氏)。第2四半期のタイアップ広告の売上は約3億2700万円あったことから、10分の1にまで縮小したようだ。
バナー広告などの純広告は、ディーツー コミュニケーションズとサイバー・コミュニケーションズが専属代理店となり販売を始めた。純広告の売上は伸びたが、各社との間で定めている最低売上保証額(ギャランティ)には達しなかったとのことだ。
コミュニティ活性化のために新たに投入した機能については、「ブクマ」と呼ぶソーシャルブックマーク機能やアルバム機能などがユーザーに受け入れられているという。その一方、女性向けに開設した「モバゲータウンL」や、テレビ番組などを実況する「実況掲示板機能」などは改善が必要とのことだ。
今後は動きのある3Dアバターを投入することで、アバターの売上拡大を目指す考え。「2Dとは雰囲気が変わるので、どうかという人もいる。2Dのほうがいろいろと(細かいデザインが)描きやすいので、それに慣れた人が3Dについてきてくれるかという問題がある。移行プランを入念に設計していく」(南場氏)
また、ゲームの有料課金による売上を3月度に月間1億円まで伸ばすとしている。
アフィリエイト広告事業の「ポケットアフィリエイト」は他社メディアへの広告掲載が増え、売上増に転じた。累積媒体社数は54万メディア。他社メディアにおける売上高は前年同期比46.1%増の11億3100万円、自社メディアの売上高は同31.3%減の11億6600万円となり、両者が同程度の規模になっている。
モバイルオークションの「モバオク」は売上高が前年同期比17.4%増の9億5100万円となった。有料会員数は12月末で119万人、取扱高は208億7500万円。モバイルECサイトの「モバコレ」は年末商戦が好調で、売上高は同56.2%増の5億8100万円となっている。また、オークションサイト「ビッダーズ」も、ファッションやグルメカテゴリが好調で売上高は同17.9%増の13億9900万円となった。
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