携帯デバイスメーカーのPalmが、低迷する事業の再建を目指して「Centro」をリリースしてからこの1年間、「Treo」およびCentro製品ライン向けの新しいアプリケーションやてこ入れの噂はほとんど聞かれなかった。だが、Palmは米国時間12月15日夜、独自のアプリケーションストアを開設し、CentroとTreoのユーザーたちがより手軽にアプリケーションをダウンロードできるようにした。
Appleによる「iPhone」用の「App Store」の成功や、Googleの「Android Market」、2009年3月に開設予定のBlackBerry用アプリケーションストアが、Palmのアプリケーションストア開設に拍車をかけたことは間違いない。同ストアでは、「Windows Mobile」と同社の「Palm OS」にそれぞれ対応するソフトウェアを入手できる。
Palmのストアでは5000以上のアプリケーションがダウンロード提供され、その約5分の1は無料だ。だが、Facebookを除き、最新のアプリケーションの特徴であるマルチメディアやソーシャルネットワークに関しては新鮮味がほとんどないようだ。プレスリリースでは、「Nursing Central」「Encyclopedia Britannica」「Pac-Man」「Tetris」「Fish Tycoon」が、「ホットなアプリ」として喧伝されている。
Palmのもくろみは、オンラインストアが開発者たちを呼び込み、彼らがiPhoneやBlackBerry、Android向けの革新的なアプリをCentroとTreoに移植してアップロードしてくれる、というものなのかもしれない。だが、今のところの品揃えには、市場で後れを取っている同社の地位を引き上げる効果はほとんどない。
それでも、PalmがBlackBerryより先にアプリケーションストアを開設したことは、一定の信頼性を与えるのも確かだ。より重要なことだが、変動の激しい熾烈な携帯電話市場で生き残るためにもっとも重要な要素である既存のPalmユーザーが、アプリケーションストアに喜ぶことは間違いないだろう。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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