恐らく、AppleほどTreoの人気急落の恩恵を受けた企業はないだろう。
市場調査会社ChangeWaveが米国時間11月20日に発表した調査結果は、生計を企業のIT支出に依存している人にとっては厳しい先行きを予感させるもので、本来であれば大変暗い内容だった。しかし、全体的なIT支出は減少しているものの、米国企業向けのスマートフォンの出荷は今後増える見込みだ。これは、Palmを除き、スマートフォン事業に従事する企業にとっては明るいニュースだ。
ただ、その増加分の大半はAppleのiPhoneの増加分だ、とChangeWaveは指摘する。11月初めに報じた通り、企業の間では依然としてResearch in Motion(RIM)のBlackBerry人気が根強いが、最近、iPhoneが徐々にシェアを拡大しつつある。ChangeWaveが行った調査で、2009年第1四半期に従業員向けにBlackBerryを購入する計画だと答えた人は全体の78%に上り、iPhoneを購入予定と答えた人は22%、Palm製品を購入予定と答えた人はわずか5%だった。しかし、8月の調査では、RIMは79%、Appleは17%、Palmは6%だった。これらの調査結果から、一部の企業が複数のベンダーからスマートフォンを購入していることが分かる。先週のビジネスで利用されるiPhoneに関するレポートでも、その傾向が高まっていると指摘されている。
この調査結果では、OSごとの結果は示されていない。これは、Windows Mobileにとっては、やや痛い部分だ。Microsoftは全般的にiPhoneにシェアを奪われてきたが、調査会社J.Gold Associates によると、Windows Mobileを搭載するスマートフォンは、依然として企業内で2番目に広く利用されているという。しかし、Windows Mobileは大変多くのハンドセットメーカーに利用されているため、ChangeWaveの調査では、特定のハンドセットメーカー1社が、先に挙げた上位3社を凌ぐという結果にはならなかった。
Palmは、CentroやTreo Proなどの製品で復活を目指してきたが、Centroは一般消費者向けの製品であり、またTreo Proも世界的人気を得るには至らなかったようだ。
ChangeWaveが2007年2月に行った調査では、22%の企業がPalm製品の購入を予定していた。時代も変わったものだ。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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