「iPhone 3G」がインドで苦戦している理由

文:Tom Krazit(CNET News.com) 翻訳校正:緒方亮、福岡洋一2008年11月14日 15時03分

 インドには巨大な携帯電話市場があるが、現地の人たちによるとAppleの「iPhone」はまだほとんど浸透していないという。

 Appleが「iPhone 3G」でインドに進出してからの数カ月を分析したLiveMint.comの長い記事は、そう結論している。アナリストの推定によると、9月の進出以来、iPhoneはインドで1万1000台ほどしか売れていない。これはおそらく、サンフランシスコのダウンタウンにあるApple Storeなら、1週間ほどで売れてしまう台数だ。

 AppleもインドでiPhoneが大評判になるとは思っていなかったらしく、この記事によると、インド市場には5万台しか割り当てなかったという。インドでは毎年1億2000万台の携帯電話が売れ、そのうち600万台程度がスマートフォンタイプのものだ。この市場の60〜70%をNokiaが占めているという。

 iPhoneのインドデビューが盛り上がりに欠けたことには、いくつかの理由がある。価格、宣伝、そして流通だ。この記事の執筆者たちが注目しているのは、インドのモバイル機器市場には世界の大部分で採用されたキャリアによる補助金というモデルがなく、その結果、世界価格の199ドル(9500ルピー)が発表されて一部が期待したよりも、はるかに高い値段でiPhoneが売られていることだ。しかし、価格が販売不振の主因というわけではないようだ。というのも、iPhoneと競合する携帯電話も8GバイトタイプiPhoneの価格である3万ルピーと同じくらいの価格で販売されているからだ。ただ、安い世界価格で購入できると考えた消費者が、それが自分たちには適用されなかったことに失望したのではという考え方も一部にはある。

 本当の理由は、Appleと、同社と提携した携帯電話事業者(Bharti AirtelとVodafone)とが、ほかの国ほど積極的にiPhoneを宣伝しなかったことにあるようだ。また記事によると、インドでの流通経路は複雑に入り組んでおり、インドの多岐にわたる顧客に到達するために、いくつもの販売店が多様な戦略を採用しているという。

この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ

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