Appleは、iPhoneソフトウェアの次期版にポッドキャストを無線でダウンロードできる機能を追加するようだ。これで、Appleが同様の機能を持つサードパーティアプリケーションをApp Storeから排除した理由がより明確になった。
Flo's Weblogと呼ばれるドイツのブログが、AppleのiPhone OSの次期版であるバージョン2.2の動作画面とされるスクリーンショットを公開した。iPhone OS 2.2では、Google Street Viewのサポートなどに加え、iPhoneやiPod touchユーザーが、端末をパソコンに接続してiTunesを経由しなくてもポッドキャストを端末に直接ダウンロードできる機能が追加されているという。
この機能に聞き覚えのある人もいるだろう。実は、Podcasterと呼ばれるiPhoneアプリと全く同じ機能なのだ。Appleは、このPodcasterをApp Storeで拒絶したため、iPhone開発コミュニティからは懸念の声が上がっている。AppleはPodcasterの開発者に対し、同アプリの機能はiTunesの機能をそっくりまねたものだと指摘した。しかし、その当時、iTunesにはポッドキャストを無線で端末に直接送信する機能はなかった。
しかし、その状況は間もなく変わりそうだ。開発コミュニティ内では、AppleのiPhoneアプリ開発ポリシーに対する不満が高まっている。Podcasterが(App Storeから)排除された件はその最たる例だ。AppleはiPhone向けに開発されている全てのアプリケーションに対して拒否権を握っている。たしかに、品質管理やセキュリティ問題など、Appleの姿勢を正当化する理由はいくつか存在する。しかし、一方でAppleは、同社が将来iPhoneに搭載予定の機能と類似する機能を持つアプリケーションを排除できることになる。
また、Appleが今後、開発コミュニティにiPhoneソフトウェア開発のロードマップを公開する可能性は低い。それどころか、Appleはどのような場合にアプリをApp Storeに受け入れ、あるいは排除するのかというルールすら明らかにしていない。そのため、開発者らは、iPhoneに機能を追加するために数週間、数カ月という時間を費やしても、無駄骨に終わる可能性すらあるのだ。自ら開発したアプリがApp Storeへの受け入れを拒否された開発者は、その2、3カ月後にAppleがiPhoneにそのアプリと全く同じ機能を追加するのを見て、さらなる侮辱を受けたと感じる可能性があることは言うまでもない。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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